もうひとつの「小樽」との出会い――北国大人の浪漫クルージング

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いざ浪漫クルーズに
いってきます
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北国の厳しい地形
クルージングに行こうよ、とのお誘いをいただいた。
ええっ? どれぐらいお金がかかるの?
ひょっとしてかなりオシャレして臨む必要あり?(豪華客船世界一周クルーズのイメージ?)
体力もいるよね?(自家用ヨット操縦と勘違い?)
なんだか危険な香り?(『太陽がいっぱい』の見過ぎ?)
クルージングと言っても、ちょっと手が届かないイメージなのだった。

小樽港マリーナでは、体力が必要なことは、船長にすべておまかせ。普段着でゆうゆうとクルージングを楽しめる。

2名以上10名以内1人3800円の旅、「窓岩クルーズ」。時速45キロのクルーザーボートで、爽快な海を満喫。小樽港マリーナを出発して、赤岩、窓岩、オタモイ海岸、トド岩、そして約1時間で小樽港マリーナへ戻ってくる。せり出した岩肌にポッカリと大きな穴があいた窓岩や、寝そべるトドに似たトド岩など数々の奇岩はなかなか圧巻だ。赤岩はロッククライミングで全国に知られる名所。ロッククライマーにとって聖地だそうだ。

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山地が険しく迫る小樽の街
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ロッククライマーの聖地
小樽といえば、ロマンチックな観光名所として有名。潮風に吹かれながら、運河をそぞろ歩きするのはなんとも魅力的なデートコースだ。そんなイメージとは違って、実際の小樽の街は、市域の南部がほとんど山地の厳しい地形なのである。標高は高くないが、ところどころで山々が海岸まで険しく迫る。クルージングでは海上からならではの小樽の絶景を楽しめる。

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『喜びも悲しみも幾歳月』日和山灯台
クルーザーボードに揺られながら、海の向こう側に目を向けてみる。向こうはロシアで、なんてなんだか大河浪漫的じゃないか? 小樽は道外への石炭の輸送、ロシアとの交易における重要ポイントだった。そんなところから、厳しい地形でも土地が切り開かれ、発展し続けてきたのだ。

クルーズ道程には、木下恵介監督『喜びも悲しみも幾歳月』のラストシーンの舞台となった日和山灯台。いつもとは違う視点で街を眺めてみるのも悪くない。厳しい自然と地理条件から産み出される大人の浪漫を堪能したい。

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窓岩の向こうに
夏は毎日運航、秋は土、日、祝日運行。人数が多ければ、チャータークルージングを。10名まで1組5万2500円、3時間のクルージングを楽しめる。食事持ち込みOKということで、ちょっとした屋形船気分を味わうのもよし。カップルにはちょっとお値段高めのサンセットチャータークルーズ(約90分)もあり。2名以上10名までで、1組2万6250円也。

なお札幌からの『小樽フリー切符』を持っているなら、3800円が2600円になる。小樽フリーきっぷは、JR札幌←→小樽往復に、小樽市内バス1日乗車券、レストラン割引券が付いて、JR北海道が1900円で発売している。

小樽港マリーナHP http://www.mw-otaru.jp/