マレーシアで大人の修学旅行


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オイルパーム畑

昨今では高校の修学旅行先として、マレーシアが人気だそうだ。
多民族国家であるマレーシアの、多様性溢れる文化に触れてみよう、というのが趣旨らしいが、それは面白そうだ!と、個人ツアーで申し込んでみることにした。
題して大人の修学旅行!

一般の修学旅行とは違い、大人はすべて自分で手配する必要がある。コーディネーターに話を取り付け、指示通りローカルバスで現地に到着したはいいが、私を待っているはずのガイド氏はまだ家にいるという(笑)。一瞬焦ったが、手近な店で時間を潰すこと30分。なんとか合流できた。
この件からわかるように、マレーシアの人はマイペース。この土地の見所や産業を紹介する、というよりは流れにまかせる感じだが、これがなかなか興味深い。



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このほったて小屋は……?


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KUEH AKOKの屋台でした

たとえば移動中、ガイド氏の母上がお菓子を買いたい、とのことで車に同乗してきた。向かったのはオイルパーム畑脇にある、ほったて小屋。これは「KUEH AKOK(クエ アコック)」と呼ばれる焼菓子の屋台で、ココナッツ入りのケーキ種を鋳型に流し込んでフタをし、その上でぼうぼうと薪を燃やして焼き上げるという伝統的製法が取られている。少々けむたいがこんなお菓子作り、そうそう見られるものではない。



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サトウキビジュース絞り体験


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パサールマラム

次に向かった景勝地では、見学後に小さな商店でひたすら待たされた。
何事かと裏手に回り込んでみると、なんとガイド氏がサトウキビの皮を削ってジュースを絞っているではないか! 日本だと「ゲストをほったらかして何をしてるんだ!」と言いたくもなる状況だが、このお店はガイド氏の妹が経営していて、力仕事が彼の日課なのだそう。これも異文化体験だと手伝わせてもらったが、サトウキビの皮は思ったより固く、女手ではかなり厳しい。確かにこれはガイド氏がやらなくては、と妙に納得した後でおすそわけしてもらったジュースは、ほんのりと甘く、美味だった。


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夜市の、見たこともないようなお菓子たち

夕方には学校や仕事を終えた人達と合流して、パサールマラム(夜市)に繰り出した。
木曜の晩のみに開かれる夜市は、お菓子やローカルスナックの宝庫で、様々な人から「これは日本にはないだろう? 食べてみろ!」と試食させられ異国の文化で満腹になって一日が終わった。

彼らはゲストがいるにも関わらず、いい意味で独自のペースを貫く。まるでいつも一コマに私が入ってきただけ、という雰囲気だ。観光や現地の食も良いが、現地人の日常生活を体験できたのが、何より面白い出会いなのであった。