ギリシャ人による、ギリシャ人のための、ギリシャ料理との出会い

夫の同僚に、ギリシャ系のカナダ人がいる。夫婦揃ってギリシャ系。両親世代がカナダへ移民して来たという、まだまだギリシャ語が母語として残っている人たちだ。食へのこだわりも相当なもので、オリーブオイルは遠くギリシャで親類が作ってくれたという自家製最高級グレードしか認めない。もうすぐ転勤という彼らに、こだわりのギリシャ料理をご馳走になった。夫は毎日職場で会っているものの、私には滅多にない会食のチャンスだ。せっかく知り合いになれたばかりなのに……と悔やまれる。



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オリーブの実が入ったパンは、本当に美味。
左の小鉢は、ごはんのブドウの葉包み


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なぜ渦巻き?というパイ。
考えている間に渦巻きは消え、私の胃袋へ

え? これは前菜だったの? と、後悔するほどたくさん食べてしまったパンとディップ。オリーブの実が刻んで入れられたお手製のパンは、文句なしに絶品! 野菜入りのパイは、やめられないとまらない味。



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ハーブが利いた柔らかいチキン


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ちょっとピリ辛な馬鈴薯。ほこほこ?



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遥かギリシャからやって来た、
家宝?のオリーブオイル入り

メインはチキンのハーブ焼き、付け合わせにはカレー風味でスパイスのきいた馬鈴薯と、ギリシャ版おふくろの味が炸裂。サラダには、たっぷりのオリーブオイルが使われている。奥方の母上による秘伝のレシピは、最近やっと伝授を許されたのだという。食欲を誘うニンニクとスパイスの良い香りが、家中どころかアパートの廊下にまで漂っていたに違いない。食材のひとつひとつからこだわり、丁寧に作っていく。ああ、スローフードのなんと手間のかかることよ。しかし、味はそれに比例するのだ。母から娘へと受け継がれていく伝統、カナダへ移民して来たからと消えさせてはならないゾ。

デザートは、フルーツをたっぷり包んだクレープに、これまたたっぷりのホイップクリーム。ありきたりな表現ながら、まさしくほっぺたが落ちそう。


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煮出して飲みますギリシャコーヒー

仕上げはギリシャコーヒー。「トルココーヒー(水でコーヒーを煮込み、上澄みを飲む)みたいだけれど、もっと軽くて飲みやすい」との言葉通り、濃厚ながらスッキリとした口当たりで本当に飲みやすく、美味しい。
実は、私たち夫婦は数年前にエーゲ海の島々を船で旅したほどのギリシャとギリシャ料理の大ファンなのだが、旅行中に食べたイカのフライやタコのマリネなどはやっぱり、外食用メニュー。プロポーズするため、わざわざギリシャの遺跡まで旅したという彼らとお互いの旅の思い出話を披露しあい、ギリシャの家庭料理を心ゆくまで堪能させてもらった。せっかく知り合いになれたばかりなのに……と悔やまれる。いろいろな意味で。

いやホント、転勤させるのが惜しい存在だ。3年後、帰って来たらまた会いましょう〜!