野沢温泉でバックカントリーに挑戦することになった。
というのも、スキー仲間が懇意にしている「いなかの宿 さわ」の主人が、山遊びならおまかせ!ということで提案してくれたそうだ。“新し物好き”な私にとって断る理由などない。嬉々として雪山に挑むことにした。
我こそは雪山に挑む戦士なり
道なき道を進む
バックカントリーとは、非圧雪の雪山にスノーシューを履いて登り、スキーで下山するという遊びである。雪山装備に加えてスキー用品をザックにくくりつけると、約20kgにもなる。
そんな荷物を背負って、道なき雪山を登っていくのは、苦行に近い。すぐに息が上がり、汗が噴出してきて、日頃の運動不足を痛感させられる。これを何時間続けただろうか。急に暴風雨に見舞われ、あえなく下山となってしまった。
まったく、山の天気は変わりやすいとはこのことだ。
大漁です
下山するとスキー場でも雨が降っていて、今日はもう滑れそうにない。意気消沈する私たちに、宿の主人がさらなる新しい遊びを提案してくれた。
「よかったらフキノトウでも取りに行きませんか?」
これは嬉しい。フキノトウなんて、子供のとき以来見かけたことがない。またもや嬉々として付いていく。
宿の主人曰く、フキノトウは雪解け後の土手などに生えているそうだ。花が開くと苦味が増すので、つぼみの状態のときに摘むのだが、土から顔を出したばかりの期間はほんのわずかで、タイミングが悪いとお目にかかれない。また、わらの下などに隠れていることもあるので、人によってはいつまでもたっても見つけられないという。
そんな天然の宝探しを楽しみながら、土手に張り付くこと約2時間。
ビニール袋一杯のフキノトウを取ることができた。
宿に持ち帰り、さっそくてんぷらにしてもらう。洗う以外には下処理を施さない、フキノトウのてんぷらを塩のみでいただくと、口一杯にさわやかな苦味と独特な香りが広がって美味!こんなに味の濃い野菜があったのか、と驚かされた。1年のうち今の時期しか食べられない山の幸は、まさに出会い物であり、雪山に降る雨も含めて、春の訪れを感じた1日となった。
こんなところに生えてます
アツアツのうちにどうぞ
バックカントリーができなかったのは残念だけど、これはケガの功名。都会に住む者にとって貴重で、思い出深い体験ができたと思う。
夏にはカブトムシ取り体験などもやっているそうなのでたまには家族で都会を離れ、自然と触れ合ってみてはいかがだろうか?
きっと楽しい時間を過ごせることをお約束する。
「いなかの宿 さわ」
http://www3.ocn.ne.jp/~yysawa/