ロッキー山脈映画の秋、バッファローづくしの夕べ


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カルガリーからロッキー山脈観光の中心地、バンフへ一泊旅行へ行ってきた。

夏は登山、冬はスキーで賑わうバンフの町も秋は閑散……なのだが、その静けさを打ち破るのが毎年11月に催される“アウトドア映画祭”だ。世界最高の山岳映画祭と評されるこのバンフフィルムフェスティバル、世界各国から集められたアウトドアスポーツ、冒険、山岳文化、環境問題などに関する映画が上映される。

せっかく開催中に来たのだからと、私は2日間で8本の映画を鑑賞してきた。パラグライダーでのモンブラン降下、アイガー北壁でのクライミング、2歳児を連れてのカナダ・カヤック横断、チベットの山岳文化……。自然の荘厳さ、過酷さ、美しさ、はかなさ、そしてそれに挑む人間の強靭さが鮮明な映像を通して深く心に響く。どの映画も素晴らしかった! 


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氷の彫刻となった滝

映画に触発され、せめて(笑)ハイキングくらいしようとJohnstons Canyonへ。渓流の流れに沿って、渓谷の間の遊歩道を上っていく。前に何度か来たことがあるし、片道1時間だから楽勝と思っていたのもつかの間、解けた雪で凍った遊歩道がつるつる滑る! すれ違う人の中にはズボンが濡れている人や泥だらけになっている人も。手すりに摑まりながらゆっくり中間地点の滝まで行ったものの、そこでリタイア……。

そんな雪道の緊張が解け(?)食欲倍増になった私は映画祭の開催されているバンフセンターにあるレストラン、「Three Ravens」へ直行。このレストランでは今秋から生のバッファロー肉がメニューに加わったと聞く。中に入ると、ガラス張りの窓からすばらしい景色が! ロッキーの山々に囲まれての食事とはまた一興。

早速バッファローのカルパッチョとバッファローのステーキを注文してウキウキ待つ。バッファローは高タンパク、低脂肪、低コレステロールのため近年注目されている食材でもある。ここで出しているものは地元アルバータ州産だそうだ。


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Three Ravens レストラン

まずは焼きたてパンと手作りバターでディナーが始まる。マンゴー、ココナッツ、唐辛子味のバター、邪道だなと思ったが意外にパンと合い食が進む。

さて、気になるカルパッチョ、極薄にスライスされた生肉の上にバージンカノーラオイル、グラナパダーノチーズ、ポートワインを煮詰めたシロップがかけてある。お味のほうはというと、臭みがほとんどなくて美味! 肉は柔らかくて口の中でとろけるよう。香りの強いワインシロップとチーズとの相性も抜群。牛と比べるとやはり少しくせはあるが、これも野性の味の醍醐味。あっという間に食してしまった。主菜のステーキの方は肉が少しパサパサしていてがっかりだったが……。まあ当たりがひとつあっただけでも良しとしよう。


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4種の手作りバター


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バッファローのカルパッチョ


満月が高速道路を照らす帰路につく。11月8日まで続く映画祭、来週末もまた来ようかな、そして今度はどこでどんなお料理を食べようかなと、食欲だけは冒険家並みの私。いくつになっても文化の秋より食欲の秋の方が似合っているようだ。

*バンフ映画祭日本出張のスケジュール。大阪・札幌・仙台はまだ間に合います!
http://www.banff.jp/schedule/schedule.html
ぜひぜひご覧あれ!