小江戸情緒たっぷりの川越散歩


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江戸時代からシンボルである時の鐘

叔母の住んでいる川越は、今年春期の『朝の連続テレビ小説』の舞台になったところだ。
愛犬も一緒に乗せて車で叔母の家まで走らせた。

去る10月17〜18日に行なわれた川越氷川神社神幸祭りは、1648年に川越城主である松平信綱が、氷川神社へ神輿を寄進したことから始まった。豪華絢爛な山車がお互いに向き合うと、お囃子を披露しあう「ひっかわせ」は特に有名。そんな祭りに巻き込まれたら人ごみで大変! というわけで私たち夫婦は1週間早く叔母の住む川越に車で向かった……
……のだが、期待は見事に裏切られてしまった。一体どこから人がわいてきたの?というくらい大変な混雑だったのだ。喜多院から見る中庭の景色、そして538体もある、石仏五百羅漢も見たかったが、菓子屋横丁を通り抜けることすら困難という人ごみだったのだ。秋晴れの日曜だったから? とにかくウィーン育ちの愛犬は人の波で怯えてしまい歩けないので、14キロの中型犬を抱っこしてよろけながら進んだ。川越名物の「ふ菓子」という黒糖で作られた一見フランスパンのように長ーい和菓子は実家の土産用にゲットした。


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江戸風情いっぱいの蔵作りの建物


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名物の焼きイモ

お昼はホカホカのお弁当を買って、川越の駅前に運よく駐車できたため、ベンチで日光浴を楽しみながら食べた。これもピクニック気分。
何しろここは日本だから、飲食店にワンコ連れ込みは禁止なのだ。オーストリアでは普通に寿司屋やレストランにでも入れて連れまわしていたのだが……。
そして叔母のマンションも外部からのペット持ち込みは禁止されているという。仕方がない、今日は野外で楽しもう。


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菓子屋横丁は人気スポット

それにしても、都内から1時間ほどで来られる川越は、噂に聞いていた通りに江戸情緒たっぷりだ。タイムスリップしたみたいで新鮮に見える。

江戸時代に火事に強い建物として、幕府が蔵作りを奨励したことから、今でも城下町としての町並みを見ることができる。明治26年の大火事で大半は焼けてしまったそうだが、商人たちが頑として煉瓦作りではなく、昔ながらの蔵作りに建て直したために、今日でも人々の目を楽しませてくれる。川越商人万歳!

ところで川越といえばサツマイモで有名だが、江戸時代の焼きイモ屋のイモはほとんど川越から来ていたという。それほどイモの産地として有名なのである。イモ掘りのイベントもあるし、イモにちなんだ菓子だけでなく、イモうどんやイモビールなんていうものまでが売られていた。

街のシンボル「時の鐘」も見たし、今度は11月、紅葉の時期にゆっくり人間だけで来よう。