知りたがりやの猫

世の殿方・男性諸氏。
「あら〜いや〜ん」
しどけなく愛らしい甘えの裏で「バッカめ」と舌を出す存在のことをよもやお忘れ召さるなかれ。
様々な形の恋愛話・短編11編。見栄っ張り、嘘つき、そのくせコロッとだまされたり。故に女は愛しく哀しく…ってな「女」の手の内をつまびらかにしてみせる。女の視点でとらえた「女」の像。
お勉強になりますぞ。

権謀術策、かけひきの綾の中で絡んだ糸をどう有利に手繰り寄せるか。こと色恋に限らず、そればかりに心を労すると、結局、挙句には失うものも計り知れない。とは逆説的なメタファーでしょうか。

ここに登場し得なかった範疇の「女」の群像も気にはなるが、案外「一部は全て」なのだろう。

所詮色恋はDNAのなせる業とはいえ、ひょっとすると最も「お育ち」が如実に反映される哀しいものなのかもしれない。なにせ業深き者どものこすりあいなのですもんね。

でも、やっぱり、もうちょっとオトコマエの女もいいと思うけどね〜


055.jpg

作者名:林 真理子
ジャンル:小説
出版:新潮文庫

知りたがりやの猫(新潮文庫)