白子温泉にて『短歌の会』を
月1回の短歌の会。「短歌というものを作ってみたい!」という母の友人の希望に、母と、なぜか巻き込まれて(?)しまった私とで楽しくやり始めてはや4年目になる。40代(私だけ)から80代までのメンバーはとても仲良しで年齢差を感じさせない。いつもの活動は、「勉強会」と「歌会」。
「勉強会」は、「短歌入門」「百人一首」の鑑賞を経て、現在は「万葉集」の鑑賞。 不肖ワタクシが"講師"として『倫子セレクト万葉の世界講座』を展開している。「歌会」は、ちょっと本格的。それぞれ自作の短歌を例会までに会長に送って、当日は無記名で発表したものを読みあい、秀歌を互選する。自分の歌が詠まれたら名前を言う。 メンバー7人で自分の歌は選ばないから、最高6点をもらうとかなりうれしい。
もちろん、いい歌でも読み手の好みのせいで選ばれないこともあるから、選ばれなくても気にしない。競い合うこともけなしあうこともなく、歌ごとに素直に感想を述べ合ったりして、和やかに時を過ごす。
例会のほかに、毎月500円ずつ積み立てをして、予算に応じて春はお花見、秋は紅葉狩りなど、楽しく企画している。
いいですね、露天風呂
今回は、房総・九十九里浜の白子温泉でお風呂とお食事。この日は、白子町の「白砂ホテル」でお風呂とお食事セットで3000円台というリーズナブルな企画。お風呂は5階の展望風呂と、1階の庭園風呂。展望風呂からは広々とした九十九里の海が眺められる。単純温泉だから透明なはずなのに、内風呂だけがなんだか深い色。よく見たら、ネットで海草をお湯の中に吊るし、そのエキスを出していたのだった。「これ、こんぶ湯だねー」「いいおだしが出てるわ」などと笑いあう。
のんびりゆったりしながら、その後は楽しく会食。さてさて今日はみんなで合作。
五、七、五、七、七と担当を分けて、各自がその部分だけを作って、あとで組み合わせる。パズルみたいなのだが、これがまたけっこう奥が深い。
お題はホテルの名前にちなんで「白砂」。
「ねえねえ、こんなのどう?」
ためしにできた歌を読み上げてみる。
「白砂まぶし」……爆笑を呼んだ合作
こんぶ湯に 白砂まぶし にこにこと 光あびおり 海のかなたに
「あはは、こんぶ湯に白砂まぶしちゃだめじゃないさー」
「旅館の人におこられちゃうよ、"お客様、砂は玄関で落としてからお入りください"って」
「"にこにこと"やってたらそれ、確信犯だよね」
しばしみんなで大笑い。しかし母だけが笑っていない。
「あの、それ、『白砂がまぶしい』って意味なんだけど」
えっ?
一瞬の沈黙の後、また大爆笑。
「やだー、『まぶした』んじゃなくて、『まぶしい』だったの? 早く言ってよ」
自分たちの勘違いに、また笑いが止まらない。
「だって、なんでみんな笑ってるのかなって思ってたの。下の句に"光あびおり"ってあるから、意味もつながってるし、どこがおかしいのかなって」
それで母だけきょとんとしていたのね。日本語って奥が深いなあ。(ほんとか?)
ちなみに、もうひとつの作品は、これ。
お食事もとお風呂でとてもリーズナブル
湯にひたり 海の眺めに 露天風呂
波打ちよせる 白砂に星
ばらばらに作った割には秀歌ができたね、これはセンスのよさだねと、また自画自賛の仲間たちだった。
九十九里浜 白子温泉 青松庭 白砂白子町古所3291所32
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