むかし懐かしい? ちんどん楽団平成24年の春に「東京スカイツリー」が誕生する。そのお膝元である隅田区が、隅田川をはさむ浅草周辺の商店街活性化のため、1月25日に大きなイベントを開催した。ふたつの地区は江戸時代からの下町文化が色濃く残っている。今回は両エリアにある老舗12店から、計11種類の江戸時代の庶民料理がメニュー化された。
その名も「〜鬼平に想いを馳せて〜江戸の味わい食べ歩き」だ。歴史的にも多くの江戸文化が実在した浅草周辺。その歴史を紐解きながら、江戸懐石近茶流宗家として知られる柳原一成氏と、その嗣家の柳原尚之氏監修により、本物の「江戸の庶民料理」が、すみだリバーサイドの屋台にて無料で試食ができる。
また、両エリアにゆかりの深い作家が池波正太郎。「鬼平」とはもちろん代表作『鬼平犯科帳』であり、それを絡めてパネルで紹介している。「文化」と「食」が満載のイベントだ。
江戸庶民料理の数々
大盛況の屋台朝11時半に行くともう大行列が……。この行列は自分の目指す屋台のチケットをゲットするためのもの。このチケットによって、お目当ての屋台で試食出来るというシステムなのである。ひとり1品ということで、何種類も食べたい人はその都度チケットをもらわないといけないので、すっかり大混雑。「ここが最後か!?」と怒鳴っている人まで……。
ポカポカと暖まるうなぎ雑炊さて試食。
江戸時代の庶民の味というイメージから、単に醤油で大雑把に味つけたのだろうかと思いきや、意外にサッパリとした「海老の煮出し」。一度でファンになってしまった。油でさっと揚げられて大根おろしに小口切りのねぎで醤油をつけて食べのだが、頭と殻が取られているのでさっと食べられる。上品な味で2皿食べてしまった。
小さめのうなぎをぶつ切りにしたうなぎ雑炊も、骨を抜いてあるので食べやすい。アツアツの雑炊にささがきごぼうと長ネギが乗っていて体中が暖まる。
エビの煮出しは1度食べたらやみつきに試食は外の広場で、ホール内では江戸のスイーツ作りに江戸っ子の遊びなどの体験コーナーが開催されている。けんだまやめんこ、羽子板にこま、お手玉などがあり、おばあちゃんが上手にお手玉をしていたのが注目の的だった。
また、パフォーマンスステージには、ちんどん楽団、江戸踊りであるかっぽれ、江戸大神楽が時間制で登場。昔懐かしいちんどん屋の音。3人の楽団員は快く撮影をさせてくれた。
もちろん鬼平=長谷川平蔵の紹介などもある。新たな江戸風味に触れられた青空の日曜日だった。