節分はマグロ三昧!

100209_02_01.jpg何やら「節分には恵方巻き」を合言葉に、大手のデパートやらスーパーは競いあいながら太巻きを売り出している。
大阪商人によって江戸時代から節分に食べられていたらしい恵方巻き。今年縁起がいいとされている方向、西南西を向いて無言で太巻きにかぶりつきながら、お願いごとをしたら福が来るとか。
新聞に入って来る広告も「2月3日の1日限り」と大きな写真入りで過大な宣伝をしている。
あるスーパーでは予約の注文書を用意していた。中にはサンドイッチをクルクルとまるで巻き寿司のように海苔で巻いてあるのも売られていたから驚いてしまう。なんでもありなんだ。ロールケーキにも福が来るらしく、節分のヒイラギと一緒に売られているコーナーがあった。

100209_02_02.jpg私の小さかったころの節分ではそういう恵方巻きなどを食べる習慣がなかった。もともとは近畿地方で食べられていたらしいので、東京の私たちには無縁だったのか…… 祖父母が生きていたころは日本の風習を守って生活していただけに、やはり近畿地方の行事だったのかと思われる。我が家の節分の行事といえば、ヒイラギの枝と大豆の木を束にして、イワシの頭を突き刺す。それを玄関に飾ると鬼がヒイラギのとげで、家には入ってこられないという風習だった。豆は祖父が96歳で他界した祖父が亡くなるまで毎年まいていた。
和室にぶん投げて、もったいないなーと言いつつ、食いしん坊の私が拾って食べた思い出がある。庭にはよく吠えるスピッツがいたけれど、家族全員が大きな声で「鬼は外!」と豆巻きをしている姿をキョトンと見ていたっけ。そんな風習が懐かしくもあり、昨日のことのように感じられる。

さて今年の節分。私は豆を升の中に入れて小さな声で豆まきをした。住んでいるマンションで「鬼は外!」なんてデカイ声を張り上げて豆をまいていたら近所迷惑になるのが残念だ。家族の一員である愛犬インディも、わからないままにドッグ用の豆を年の数だけ今晩はもらえてご機嫌。
食事のほうは、何もそういう流行にとらわれなくてもと、マグロ三昧で堪能することにした。鉄火巻きも「巻き」には変わりないはずだ。
思い切り大好きなマグロにありつけて、けっこういい節分をすごせたじゃない? そんな幸福感に浸った夜。年中行事にはそれが大事なのである。
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手前にあるのがワンコ用の豆
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恵方巻きならぬ鉄火巻きのマグロ三昧