さあ、あんこう鍋に火が
温かい鍋が恋しいこの季節。
というわけで、今日はいつものメンバーで銀座にある割烹料理店へ行き、ふぐとあんこうの鍋をつつくことになった。
これまで30年以上海外生活をしていた私は、日本というか大都会・東京の生活になじむのか心配だった。
ところが、その危惧は一気に飛ぶ。
タラちりもありますよ
小・中学校時代のお仲間がいまだに月1回飲み会をしていたらしく、さっそく顔を出したところ何十年という年月が一気に縮んでしまうほど意気投合したのだった。ああ、幼馴染は気をつかわなくていいなァとしみじみ思った。
その厚い友情に支えられて、今回は初体験のふぐとあんこう鍋に挑戦!
締めはやっぱり雑炊ですよ
銀座で落ち合って割烹料理店へ。ふたつのテーブルにはふぐとあんこうの2種類の鍋が置かれている。ふぐはオーストリアでも「毒性のある怖い魚らしい」と言われているので、私は死を覚悟で来たのだが、皆はゲラゲラ笑いながら、「ライセンスをちゃんと持っている店では食べても死なないよ!」と教えてくれた。
ふぐ鍋はポン酢で食べるらしい。初めに大皿の刺身の盛り合わせが出て、ビールで乾杯しながらいただく。そして白菜やら野菜もたっぷりと入ったふぐ鍋に、そのポン酢ともみじおろし……という、大根おろしに唐辛子をすりおろした薬味をつけて食べてみた。熱い白身の引き締まったふぐが口いっぱいに広がった。う〜ん、これは美味しいじゃない!
幼なじみとは食も進みます
感激しつつ、大はしゃぎしてしまう。皆も私が鍋の食べ方をよくわかっていないので、手取り足取り教えてくれた。マメな男の子なんて「あんこうは味噌味がしっかりついているから、そのままお皿に取って食べたらいいんだよ」とあんこうの皿も渡してくれた。
和気あいあいとお喋りがはずんでしまうのも、日本の食文化がもたらす「鍋料理」だからだろう。
二次会の紹興酒で乾杯!
西洋ではどう手を広げても「大勢で同じ釜の飯を食べる」のはフォンデュを除いては考えられない。
いいおじさん、おばさんになってしまっても、心は本当に中学生のままに帰ってしまうのが不思議だ。
幸せなひと時のあとは、築地にある中国人オーナーの小さな店へ行った。
二次会はそこで紹興酒……。
旧友たちとの交流に、夜は静かに暮れていった。