妖気たっぷり高野山・奥之院のナイトツアー

高野山へ行こう、そう思いたって出かけてみると最高気温5度! やっぱり高野山は寒い。山の下の気温とは5度以上違います。 泊まった宿坊で夜に宿泊客を奥之院へ案内してくれるツアーが1500円(大人、子供は無料)と聞き、「それ、参加します!」と手を上げて、いっぱい着込んで歩いてきました。そう、今回買ったのはこのツアーです。写真は翌日に撮ったものです。

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奥之院の入り口
ツアーは宿坊の若いお坊様が案内してくれます。奥之院の入り口、一の橋の前で一礼、合掌して渡り、巨木の森の中に入ると、お墓が次から次へと現れます。あたりは暗く、お坊様がライトで照らしてくれます。お墓によっては真言密教の五輪塔の前に鳥居があり、お寺さんとお宮さんが共存しているよう。実は鳥居は江戸時代まではよくあったスタイルで、明治政府の神仏分離令によってお墓に鳥居は付けられなくなったそうです。なるほど、鳥居があるのは古いお墓なのですね。

次に見える橋は中の橋で、流れる水は三途の川。つまりここから「死後の世界」になります。橋のたもとには「姿見の井戸」があります。この井戸をのぞいて自分の姿が水面に映らなければ、3年以内にチーンなのだそうな。また橋を渡った後から続く石段でつまずいても3年以内にチーン。夜は怖すぎますから、私は翌朝そろりと井戸をのぞいてみました。さてどうだったでしょう、フフフ。まだ煩悩たっぷりの私、石段はソロリソロリと注意深く歩きました。

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鳥居のある島津家初代、二代の墓
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割れている明智光秀の墓
奥之院は豊臣家、武田信玄、伊達政宗、上杉謙信、織田信長に明智光秀など戦国武将オールスターズや諸国大名家に加え、お江や大岡越前守など数々の日本史セレブのお墓や供養塔が次から次へと現れます。中でも明智光秀のお墓は今までに何度つくり直しても、そのたびに信長の怨念か墓石が割れてしまうのだそうです。今の墓石も拳で叩いたような跡があり割れていて、夜はゾクゾクしました。

奥之院にはユニークなお地蔵様もおられます。自分の前を通った回数、つまり奥之院に参拝に来た回数を数えていて、何度も通った人には閻魔様に罪を軽くするようお願いしてくれる「数取り地蔵」や、お地蔵様の顔にお化粧をしてあげるとキレイになれるといわれる「お化粧地蔵」も。私が通ったときはキレイというか派手にお化粧されていて、そのお顔はいささか疑問ではありましたが、お参りはしておきました。

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お化粧地蔵
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ここから聖地となる御廟橋
最後の橋である御廟橋の先は「聖地」で、写真撮影も不可。夜の灯籠堂では、無数にある灯籠がぽんわりと灯り幻想的でした。ここからは脱帽、私語も許されません。灯籠堂の裏側には、弘法大師の御廟があります。冷たい空気と静寂の中で手を合わせて参拝すると、なんとも清々しい気分でした。

翌日の朝にまた奥之院に入り、のんびり歩いてみました。あらかじめ学習していると千年以上の歴史がある奥之院だけに、興味がまた湧いてきましたよ。