今週も暑かったなあ……と思い返す週末の夜、友人のNさんに高円寺の阿波踊り見物に誘われた。実は家から会場まで歩いていける距離なのに、行くのは初めて。
メンバーはNさんと、その娘で小3のAちゃんと、2歳の息子Hちゃん、そしてNさんの友人Mさんだ。まずは駅に集合し、踊りが見える場所を探すことに。
駅の北口で見られるというのでさっそく人ごみの中を移動。するとロータリー周辺はまさに人の海。
人の波に揉まれつ流れつ、はぐれそうになりつつも、ようやく踊りのスタート地点にたどり着いた。腹に響くような音響、そして汗と熱気。人々は食い入るように踊りに見入っている。
私たちは人垣の最後列にぴったりはりついた。私たちのすぐ後ろを通行人が次々と歩いていく。Aちゃんは人垣の中をするするっと通り抜け、最前列にしゃがみこんだ。NさんとMさんは交代でHちゃんを抱っこしていたが長くはもたず、そのうち肩車にしたがこれも疲れる。肩車は幼児の特権だが、背負うほうはキツイ。
なので、適当なところで見物を切り上げ、駅のほうまで戻ることにした。
もちろんこれだけで帰っちゃもったいない、どこかで軽く飲むつもりである。
頭越しに踊りを見る
ウウ、重いよHちゃん…
高架線脇の「居酒屋ロード
高架線脇の「居酒屋ロード高円寺駅から東西にのびるガード下には小さな飲食店がひしめいているのだが、この日は天気も良く、ほとんどの店が目の前の路上に席を作っていた。どこもいっぱいだったが、ある路上席の大きなテーブルの半分が空いているのを見つけ、席を確保。もう半分には若い男女のグループ数人が楽しんでいた。
さっそく、飲み物食べ物を次々と注文し、さあ、乾杯!
通りや街をつつむ熱や浮かれ気分にのぼせ、ときおり行過ぎる浴衣姿や阿波踊りの参加者をながめるのも楽しい。
大人たちは存分に話に花が咲いたが、お腹いっぱいになった子どもたちは飽きだして、席のすぐ脇の駐車スペースで遊び始めた。
と、同じテーブルで飲んでいた若い男性の一人がHちゃんを気に入り、「ほらおいで、おいで!」と、しきりに呼びかける。周りの者は気を使って「Hちゃん、お兄ちゃんのほう行きな!」なんて仕向けるのだが、Hちゃんはお兄ちゃんのほうに見向きもしない。せっかく抱っこしてあげても、身をよじって逃げてしまう。
夏の夜、野外のビールは最高!あまりにつれないHちゃんに、お兄さんは「お前もオレと同じだなあ、男はイヤか!」なんてふざけて言うので一同笑ってしまった。でも本当は、嫌がってたんじゃなくて照れてたみたい。
いよいよ帰るころになって隣のグループに別れを告げたが、Hちゃんを気に入っていたお兄ちゃんはあいにく席を外していた。後で戻ってきてHちゃんがいなかったら淋しがるかな?
それにしても祭りというのは、その空気の中に溶け込む人たちの心を通わせる力があるな……と、この夏最後のお祭りを名残惜しんだのでした。