5月23日の日曜日に、「Celebra Peru/セレブラ・ペルー」というパレードを見に行ってきた。ペルー全25州の踊り約60種類が披露され、グルメフェアも同時開催される大イベント。リマにいながらにしてペルー各地の魅力に触れるチャンスとあって、晩秋の薄ら寒い天気にもかかわらず、いそいそと出かけたのだ。
このスピード感が堪らない!
すぐ目の前で踊りを楽しめるパレードは最高だ
アンデスの町プーノの踊り。
短いスカートからすっきり伸びる足が魅力的
パレードのためほぼ全線通行止めになっているブラジル通りをしばらく歩いて行くと、アマゾンの衣装を身に着けた一団が見えてきた。どうやら彼らがパレードの最後尾らしい。霧雨が降る中で待機するのは寒かろうと思ったが、当の彼らは大して気にする様子もなく振り付けの確認に余念がない。彼らの踊りを最後まで見たかったが、とりあえず先を急ぐことにした。
ピウラ山岳地帯の踊り
「ディアブリコ/悪魔の踊り」
の主人公、悪魔さま。
こっちを向いて、はいポーズ!
しばらく行くと、華やかな音楽とともに様々なダンスグループが見えてきた。腰を振りミニスカートをひらひらとさせながら踊るプーノの女性たち。スペイン人のお面をかぶり、見事な刺繍が施された美しい衣装を纏うハウハの人々。黒人が多く住むイカのグループからは、アフロペルアーノと呼ばれる黒人音楽が聞こえてくる。マリネラの衣装はグループによって違いとても鮮やか。そして赤いマスクと大きな羽飾りをつけた悪魔が、マントを羽ばたかせながら道路を駆け巡る。それぞれの役柄の意味がわかればもっと楽しめるだろうに、ああ、踊りの説明がほしい!
約3kmもの距離を踊り続けるダンサーとブラスバンドがしばしば休憩したくなるのは当然だが、観客たちがそれを許さない。「ほらっ!踊ってよ!」「もっともっと!」と声を掛られ拍手喝采で迎えられると、「ふぅ、ではもう一丁頑張りますか」と目で合図を交わし、また元気よく踊りだす。踊るほうも見学するほうも、心から楽しんでいる様子がうかがえる。
「わしらは、スペイン人の大地主じゃ」
と教えてくれたおじさん。
古都ハウハの踊りはリズムものんびり
たっぷりと踊りを楽しんだあとはグルメフェアへ。ブラジル通りからほど近い公園カンポ・デ・マルテには、同じくペルー全国から集まってきた自慢の郷土料理を振る舞う屋台が並んでいた。地方出身者も多いリマ。人々は懐かしい味を求めて、また珍しい料理を体験しようと店に押し寄せる。セビーチェ(魚介のマリネ)、セコ(煮込み)、アロス・コン・パト(鴨を使ったご飯料理)、フアネ(アマゾン料理)から「大地の鍋」という名のパチャマンカ、アルパカやクイなどアンデス料理、そして忘れてはいけないデザート類までバラエティ豊か。しかしみんなよく食べる! ペルー人は食べるということも心から楽しんでいるようだ。
私にとってペルーの魅力が満喫できた楽しい1日だったが、翌日のニュースでも、「この日61歳の誕生日を迎えたペルー大統領アラン・ガルシアも出席し、この素晴らしいイベントに賛辞を送った」と伝えていた。大統領をも満足させた大成功のイベントという訳だ。どうやらこの「Celebra Peru」は、ペルー人にとってもペルーの魅力再発見の1日だったらしい。
紅白の桟敷席へちょっと潜り込んでみた。
この近くにガルシア大統領もいたのね
一心不乱に食事を楽しむ家族。
もしかしたら踊りなんて見ていないかも