ペルーのハーブたっぷり箱蒸しサウナ

出会った途端、一目惚れしてしまったもの、それが「ペルー式サウナ」だ。友人との散歩中に偶然見つけたものだが、そのシンプルな仕組みに惚れこみ、機会を見つけてはいそいそと通っている。



100420_03_01.jpg
ここがバランカのペルー式サウナ。
ごく普通の一般家屋の奥にある


100420_03_02.jpg
この箱に入り、扉と上蓋を閉めて蒸気を充満させる

サウナといえば高温の部屋に入ってじっくり汗を出すというのが一般的だが、これだと私はすぐのぼせてしまい、長く入っていられない。しかしこのサウナは箱蒸しタイプ。蒸気が充満した木製の箱の中に腰を掛け、首だけ外に出すというスタイルなので、呼吸が楽な上にのぼせにくいのが特徴だ。



100420_03_03.jpg
モデルとして実演してくれた友人は、
もうすっかりこのサウナの常連だ


100420_03_04.jpg
これで目隠しと採光の両機能を
きちんと満たしているところが素晴らしい



100420_03_05.jpg
サウナを一人で切り盛りするセニョーラ・ミラ。
元大統領の母国で写真デビュー

ではどこが「ペルー式」なのかというと、まずはその蒸気。呼吸器系疾患に効くというユーカリや、筋肉の痛みを和らげるというペルー原産の木・モージェ、リラックス効果のあるマンサニージャ(カモミール)やミントなど、ペルーでおなじみのハーブがふんだんに使われている。ハーブの香りを含んだ蒸気を吸い込むと、鼻やのどがすっきりして気持ちいい。古来より様々なハーブを使ってきたペルーならではのサウナである。また頭や顔を冷やすための水をペンキの空き容器に入れて持ってきてくれたり、目隠しのつもりなのか、窓ガラスに黒い塗料が微妙なタッチで塗られていたり、はたまた水シャワーしかないところもペルー式。細かいところにはこだわらないのである。


100420_03_06.jpg
壁に大切に掛けられていたカレンダー。
「2009」というところがご愛敬

こんなシンプルかつナチュラルなサウナを経営するセニョーラ・ミラは、実はフジモリ元大統領の熱心な支持者なのだそうだ。その元大統領の娘と私の名前が同じと知って、親しみを持ってくれたらしい。「あなたの名前もケイコよね?」と聞かれる度に、私もつい「そう! ケイコ・フジモリと同じなの!」と言って喜ばせてしまう。このセニョーラとの出会いも何かの縁、大切にしていきたいと思う。

しかし、南半球のペルーは今が秋。これから冬になっても水シャワーというのは、日本人の私にとって少々厳しい話だ。「水シャワーを浴びずに汗だけさっと拭いて、すぐ家に帰れば大丈夫かな」などと、今から友人と対策を講じている。とはいえ1時間たっぷり汗を出して200円弱というお値段はあまりに魅力的だし、セニョーラもいい人だ。出会ったもの、惚れたものの弱み。やっぱりこれからも足繁く通うことだろう。