五感で楽しむ九州新幹線と九州の列車たち

東日本大震災の翌日の3月12日に全線開通することになった九州新幹線、混乱を避けてかチケットのネット販売はまだなく、久々に乗車1カ月前の朝10時めがけて駅に切符を買いに行きました(今はネット販売が始まっています)。



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こちら山陽・九州新幹線みずほの勇姿


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燦然と輝く「みずほ」の文字

東海道・山陽を縦断する「のぞみ」に相当する、山陽・九州を繋ぐ「みずほ」は、朝夕2本ずつの1日4本運転のみで、それゆえお彼岸の連休初日(3月19日)のチケットは売り切れて買えずに涙の帰宅。翌日再挑戦して山陽→九州新幹線「みずほ」のチケットを手に入れ、その後も2日間、朝10時前にJRのチケット売り場へ走って、ようやく帰りの切符までが揃った!

行きの九州新幹線さえ乗れば満足でしょ!? いえいえ、もちろん新しい九州新幹線に乗るのは楽しみですが、九州には旅心をくすぐられる楽しい列車がほかにもあるのです。



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これホントに電車? 「いぶすきのたまて箱」


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みずほのデッキはこんなにラグジュアリー

まずは「みずほ」。シートは普通指定席でも2人+2人がけでゆったりしています。シートの肌触りが柔らかく、ヘッドレストもフカフカで、なんだかこのシート、座り心地いいじゃないですか。しかも広いアームレストやテーブルは木を使っていて落ち着きます。デッキは木目の壁が流れるような曲線で高級感のある空間。

700系の「みずほ」、「さくら」(「ひかり」に相当)以外にも、九州新幹線限定の800系車両もあります。こちらも2人+2人構成で、車両ごとにシートのカバーが違うという贅沢さ。800系には最新の新800系と、以前からある旧800系0番台の2種類がありますが、時刻表を見てもどの列車が新800系かわからないので、乗るまでのお楽しみとしましょう。旧800系でもシートの形は新800系とほぼ同じで、車両ごとで色が違う和を感じるシートです。私が乗ったのも800系0型でした。

「みずほ」を熊本で降りてからの在来線は、熊本と指宿の間を「SL人吉」、「いさぶろう・しんぺい」、「はやとの風」、そして3月12日に運転が始まった「いぶすきのたまて箱」と、列車も車窓も両方欲張りに楽しむテツな旅にしました。


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出ましたSL。「人吉」です

広い展望デッキや市松模様のレトロな座席の「SL人吉」はのんびりと渓谷を走り、渋い田舎調の「いさぶろう・しんぺい」では、ループ線やスイッチバックのある峠を超えます。続けて吉松から乗り換えた「はやとの風」は、木の温かさを感じる車内で、霧島連山を下ると海と桜島が開けます。「いぶすきのたまて箱」はリゾート気分いっぱいに列車の概念を超えた車内で、降りるときにはたまて箱を開けたようにスチームが出るという演出も!

九州にしかない遊び心いっぱいに進化する九州の列車たち、これからも目が離せません。