8月のインド。街の屋台やモールにはカラフルな「ラーキー
という赤い、手首に巻くためのヒモがたくさん売り出されます。ラーキーはヒンドゥー教のお祭りで、由来は昔、善と悪が戦い善の代表インドラという名の神が劣勢になり寺院で勝利を祈願した際、インドラニが手首に木綿糸を結んで送り出したところ、 勝利を得ました。その言い伝えにならって、女性が自分の兄弟の健康や無事を願って結ぶものです。
当日は朝から銀のプレートに花やおでこにつけるための赤い粉、甘いお菓子やお花を盛り付けます。女性は兄弟に赤い粉をつけ、花を捧げ、お菓子を食べさせてから右手首にラーキーを巻きます。愛情の印として、よく結婚式でも相手に食べさせるのがインド風。たいていはお返しに101ルピー,501ルピーといった吉祥数のお小遣いやお菓子をもらいます。せいぜい200円とか千円くらいのお返しですね。
ラーキーの日だからといって、従弟の手首に巻いてあげるため、そそくさ家に帰った友人のアイシュは私も自宅に誘ってくれました。もう親戚がとっくに集まっていて、遅刻して帰宅したアイシュに小言を言っていましたがすぐに彼女は言い訳しながら新しいラーキーを従弟にまいてあげました。
「年に1度のこの日のために違う州から大家族がデリーまで来るのよ。凄いでしょう?」
と少々うんざり気味。
どうして機嫌が悪いのかというと、彼女はダイエット中なのに頭のしんまでしびれるくらい甘い団子状のお菓子をおつきあいで食べないといけないからです。
彼女は4人姉妹だから、こうして従弟に巻いてあげるのが恒例の行事なのだとか。
正式な名前は、ラーキー・バンダンとかラクシャー・バンダンと呼ばれていますがいずれもヒンディ語で「保護者の絆」という意味があります。ラーキー頃の文房具屋にはお祝い用のカードがたくさん売り出されていて、一人っ子の私はとても羨ましいです。たとえ嫁いでいても、兄弟のいる家に、(つまりインドでは実家ですが)全員が集まってお祝いをします。
ラーキーもピンキリで子ども用にはミッキーや日本のドラえもんがキャラクターになっていたり、可愛いのが多いけれど大人用には金がついていたりとかなり豪華なものまであります。
海外に暮す兄弟のためにラーキーの日(今年は8月29日だった)に間に合わせて新しいをの送るのだとか。きっと心の強い支えになるのでしょう。
私には巻く人がいないので、愛犬に巻いてしまいました。これは夫にもあげる事が出来ません。あくまでも兄弟とか従兄弟が対象だからです。