縄文テーマパークのような公園の入り口。
公園の奥に見える霧は幻想的な雰囲気を演出するために吹き上げているものとかおなじみのふせん紙が、粘着力が弱くてすぐはがれてしまう失敗作の接着剤から生まれたという話や、足りなくなった皿のかわりにワッフル屋さんが作ったことで生まれたアイスクリームコーンなど、ほんの偶然から生まれた大発見や大発明の話ってたくさんあるものです。
ムコ殿が先日お仕事で、今から約1万2千年前の縄文時代にまつわるいろんなエピソードを調べていたときに気になったのが、明治初期に大森貝塚を発掘し、「縄文」の名付け親といわれるモース博士のこんな話。
「アメリカの動物学者モース博士は横浜から新橋へ向かう途中、汽車の窓から崖に貝殻が堆積しているのを見つけた。それが大森貝塚発見の契機になった」
そういえば教科書か何かでも聞いたことはあるエピソードですが、ほんまかいな?
大発見の張本人、モース博士。
能が好きで茶道も嗜んだというからかなりの親日派だったんですね<するとこの大森貝塚、今では整備されて公園になっているとか。本当のところはどうなんでしょうか、「噂の東京マガジン」の笑瓶ちゃんの気分でさっそく出かけてみました。
東京方面からは品川駅でJR京浜東北線に乗り換えてすぐの大森駅。その北口から池上通りを7〜8分歩くと「大森貝塚遺跡公園」に到着です。公園の入り口は土器のレリーフやテラコッタ風の壁がいい雰囲気! ちょっとした縄文テーマパークのようです。
背の高い木々に覆われた公園は、散歩するだけなら10分もかからずひと回りできそうな広さですが、遺跡公園というだけあってなかなか整備されています。地層を模した壁やモース博士の銅像、かつて貝が埋まっていた様子を再現した展示物、このあたりが海に面していたことを示すイラストや縄文の人々の生活の解説版など、これは立派な縄文資料館ですね。
すると、電車が通るガタゴト音! 音を頼りに公園を奥へと進むと、ちょうど公園の東側から見下ろす格好で京浜東北線が行き交う様子が見えました。高台にある公園と線路の高低差は5mくらいでしょうか。お〜なるほど、これなら博士が車内から貝が埋まっている崖を見たという話も納得です!
公園から見下ろす、スカイブルーでおなじみの京浜東北線。
線路の通っているあたりは縄文期には海や海岸が広がっていたようですとはいっても、もちろん公園ですからママとベビがお散歩していたり、近くの会社の人でしょうか、ベンチに座ってお弁当を食べている人も何人も見かけました。こんなほのぼ?のした憩いの場所がじつは日本考古学発祥の地だなんて、好きだなあこういう話。