他人様の年収がおいくらなのか—-誠に下世話な話なのだが、これがことプロスポーツの世界だと、それが実力の証明。それこそ1円単位で世間に晒されてしまう。今回はそんなおはなし。
問:競馬の有馬記念を勝った騎手がフトコロにするのはおいくらでしょうか? なお、有馬記念の1着賞金は1億8000万円である……というところで、答え。
答:900万円
騎手のフトコロには賞金の5%が入ります
騎手が手にする賞金は、各レースで設定されている賞金の5%。まあ当然なのだが、競馬の賞金をいちばん得るのは馬主で80%。さらにその競走馬を管理する調教師が10%、騎手と厩務員が各5%。形式的には、100%の賞金を獲得した馬主が、調教師・騎手・厩務員に対して支払うということになっている。これは日本中央競馬会(JRA)も地方競馬(NAR)も同様だが、JRAだけで実施されている障害競走の場合は、騎手が7%となる。
ちなみに、騎手の獲得賞金はJRA、NARとも年間表彰対象であり、昨年JRA1位となった武豊騎手は30億3056万6800円を記録している。この金額は参加レースでの賞金をすべて加算したものなのでこの5%、およそ1億6500万円が昨年実際に得た賞金ということになる(その他にも別に各種手当てがある)。
1頭の馬に大勢が関わる競馬の場合は上記の通りだが、「基本的に自分だけ」となるボートレース(競艇)、競輪、オートレースは、設定された賞金額が丸々フトコロに入る。ボートレースの賞金王決定戦(12月23日優勝戦)、競輪のKEIRINグランプリ(12月30日)はともに1着賞金1億円。26日の有馬記念の前後は、こちらのレースにもご注目を。
※おまけウンチク
プロスポーツ選手の年収といえば、もっとも身近(?)なのがプロ野球。ただいま各球団で契約更改の真っ最中だが、その報道では必ず金額とともに「推定」と付く。これ、実は選手の会見内容などから報道陣が勝手に推測しているだけだから。ハッキリと金額を言う選手もいるが、まあこれも報道が契約書を実際に確認しているわけではないので、推定でしかない。それだけに、後々の暴露話で「1億円と言われていた○○の本当の年俸は、実は8億円」なんて飛び出すこともままある。しかしまあ、この暴露話にしたって推定でしかないのだが……。