「先は雪国」でもおかしくないトンネルと、おかしすぎるトンネル

明日12月4日、東北新幹線の七戸十和田駅、新青森駅が開業、開通する。

これで東京から青森市内まで乗り換えなしで行けることになり、東海道・山陽新幹線と併せれば新幹線での本州縦断が可能となった。さらに翌3月には博多−鹿児島中央までの九州新幹線も開通し、新大阪−博多の山陽新幹線とも乗り入れることから、最小2回の乗り換えで九州最南端から本州最北端までたどり着くことになる。もっと言えば新青森からの北海道新幹線(仮)も計画中であり、ゆくゆくは北海道と九州が新幹線で繋がることも……。

新幹線建設には建設費用や誘致の問題など様々な側面はあるものの、開通にはやはり心が躍る。九州新幹線も開通したらぜひとも本州→九州を縦断してみたいものだ。ただまあ、首都圏在住者としてはまず新青森か鹿児島中央に行ってからスタートとなるのがまず引っかかる(笑)。ちなみに通しの料金は特急料金込みで4万円くらいだと思われます。


tonneru.jpg
樽沢トンネル。 後ろ見えてますけれども(笑)

さて、そんな新青森の先……といいますか、いま書いた北海道新幹線で通ることになる青函トンネル全長53.85キロは日本一どころか世界一の長さを誇る鉄道用のトンネルだが、ここでウンチクを二丁。“海底に入っていますよ”という部分の長さだけだと英−仏のドーバー海峡トンネルのほうが実は長い(青函=23.3キロ、ドーバー=37.9キロ)。どちらも意外に陸上部分が長く、青函トンネルは青森側と北海道側を併せて30キロも実は陸上トンネルなのだ。さらに、先頃スイスで貫通工事が終わったゴッダルドベーストンネルは全長57キロあり、2018年(予定)の開通と同時にこちらが世界一となる。あちらは山を崩してのトンネルというのがお国柄を感じさせる(現在の陸上鉄道トンネル最長もスイスのレッチュベルクベーストンネル=34.6キロ)。

おまけとして「じゃあ短いトンネルは……」ということで調べたところ、どうも世界規模では領海や領空など自国の利益を守るためを除くと、短い”とか“低い”は特定しない傾向にある(前回“最低峰”の回参照)。よって日本でいちばん短い鉄道トンネルをご紹介。JR東日本吾妻線にある樽沢トンネル(岩島−川原湯温泉)で、これが7.2メートルしかない。ただこのトンネル、あの八ッ場ダム(!)の建設如何ではこの先、用途廃止の可能性も囁かれている。全国の“鉄ちゃん”はこの方向からも八ッ場ダム問題を見つめているとか、いないとか。