もしやこのウンチクも――エイプリル・フール

今週末には4月1日を迎える。我が国では4月1日を“新年度”の入りとしており、国家予算などの年度会計が更新(24年度の本予算は3月30日現在まだ成立しておらず、ひとまず暫定予算が執行される)されるほか、多くの学校や企業で進級や入社の目安の日になる。その入学と年度の不思議な関係はちょうど一年前にウンチクで取り上げたので、よろしかったらご覧くださいませ

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ある年のエイプリルフール、
遊園地「豊島園」が出稿した新聞広告
 
その4月1日、世間的には「嘘を付いてもいい日」とされている。そう、『エイプリル・フール』である。
個人が他人に嘘を付いてそれをネタにするというのが単純な図式だろうが、近年では企業が大嘘の新聞広告やCMを出稿したり、自社のインターネットサイトで大嘘の発表をするなど手が込んできている。日本の場合、公告ではない新聞紙上やニュースなどではさすがに“遊び”は少ないが、本場(?)の海外ではイギリスの国営放送・BBCが「『ビッグベン』デジタル化、使用されていた時計の針を抽選でプレゼント」などの大嘘ニュースを流していたりする。言ってみればNHKが「国会議事堂が建て替え、建築には総檜の書院造りを採用」と報じるようなものであろう。

さてそんな『エイプリル・フール』の起源は「修行僧が3月末まで悟りを開く修行をしていたが、それが終わるとすぐに迷いだしてしまうことから4月1日を『揶揄節』として遊んでいた」など諸説がある。中でも「中世以前のヨーロッパでは新年は3月25日からで、4月1日までをお祝い期間としていたが、1564年にフランス王シャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用。それに反発した人々が4月1日を“嘘の新年”としてお祭り騒ぎを始めた」という節が有力とされている。

ユーモアの類に入るだろうこの風習、よくよくユーモアが欠けると揶揄される日本でも大らかに楽しみたいものである。
ちなみに、“諸説”やNHKの行はともかく、ともかくこの文中に嘘はない。入れてみようとは思ったけれどもまだ3月30日だしね、念のため(笑)。