?と!のハテナでビックリなおはなし

いきなりですが問題です。
問・世界でいちばん短いとされている「手紙」、その内容とは?

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駅で見つけたクエスチョンマーク。
主にインフォメーションセンターに掲げられています

その答えの前にまずは「疑問符」「感嘆符」のおはなしを。そう、上の問題文にもあるし、私たちがメールなどで何気なく使っている「?」「!」についてである。

文章など対象物に対しての疑問を表すのが「?」。英語での名称“クエスチョンマーク(Question mark)”を筆頭に、日本ではおなじみ“ハテナ”や“耳”などとも呼ばれている約物(文章等に使用する記号。これも同じ)である。もともとは欧文にて使用される記号で、和文の書式には存在していなかったが、現代は一般的な記号として使用されているのはごぞんじの通り。チェスの試合展開を記録する棋譜にて、「あまりいい一手とは言えない疑問手」に“?”、「負けに繋がる敗着の一手」に“??”と使用したりもする。ちなみにこの記号となったのは、ラテン語で疑問を表すquaestioの“qとo”を合わせたからだとされている。

そして対象物に対する驚きや歓喜などを表すのが「!」。こちらは英語の“エクスクラメーションマーク(exclamation mark)”よりも、“ビックリマーク”という呼び名が一般的かもしれない(“雨垂れ”などという呼び方もある)。道路標識などの注意喚起や命令などでも広く使用され、チェスの場合は好手で“!”、局面を打開するような絶好手を“!!”と記録する。そして起源としては、ラテン語で感情が高まったときに使用されたioという単語を重ねたもの説が有力だ。


インテロバング
また、これらふたつの記号を合わせて、「驚きの後に疑問が浮かぶ」ような事象での「!?(感嘆符疑問符)」「疑問が解消し、それが驚きに変化」した場合の「?!(疑問符感嘆符)」という使い方もある。さらに、和文ではほとんど見られないが、この組み合わせを重ねてひとつにしてしまった記号もある(右画像参照)。これはインテロバング=感嘆修辞疑問符という記号で、!?や?!と同義で使用される。

さて、ここで冒頭の問題の答えを発表しよう。世界でいちばん短いとされる手紙とは……

答・「?」

ホントかよという話なのだが、作家・ヴィクトル・ユーゴーが著作『オペラ座の怪人』の売れ行きを出版社に尋ねようと出した手紙には、「?」が一字だけ書かれていたらしい。故に、これが世界でいちばん短い手紙とされている。
では、その返信にはなんと書かれていたか。
素晴らしい売れ行きですよ、それを出版社が伝えるべく書いたのは……ご想像の通り、「!」の一字だったのである。