「変態」で「複雑骨折」

この変態野郎!

仮にあなたが人込みの中でこう声を掛けられたとしたらどうだろうか(どんな質問だ)。多くの人は突然の事態に困惑し、また憤ることであろう。いや、逆にその言葉にとてつもない喜びを感じる人もいるかもしれない。ホンモノなら。

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この変態野郎!

しかし、あなたがもしもカエルだとしたら、もしくはチョウだとしたら、この変態という言葉は、大人の階段を上る重要な課程を表している
昆虫や各種節足動物、魚類や両生類などで、
「成虫までの成長過程で、著しく形態を変化させること」、それを「変態(metamorphosis=メタモルフォーゼ)」という。たとえばカエルであれば、孵化からカエルになるまでに、著しく形態が違うオタマジャクシを経る。これがチョウであれば、イモムシなど幼虫からサナギを経てチョウ。この過程を変態というのである。これは決してカエルやチョウの性的嗜好がおかしくてなっているわけではない。いや、確証はないけれども(笑)。

似たようなおはなしで「複雑骨折」というのもある。辞書によると「複雑」とは、「物事の事情や関係がこみいっていること。入り組んでいて、簡単に理解・説明できないこと。一面的ではないこと。また、そのさま。(小学館/大辞泉)」とされている。それ故、複雑骨折というのは、単純にポキッと骨が折れたというだけに止まらず、何カ所もバキバキに折れているとか、骨が砕けて粉々になってしまっていることかと思いきや、「折れた骨が皮膚を突き破って出てしまっている骨折」を指す。なお、何カ所も折れているのは「重複骨折」粉々なのは「粉砕骨折」であり、また紛らわしいからか、複雑骨折に関しても「開放骨折」の呼び方が現在は一般的になっている。

今回“タイトル買い”した方、ハズレです。残念でした(笑)。