見ちゃったんだ、これを!
8月2日の瑞牆・トムソーヤ―の冒険ルート登攀の時、真っ隣に見えた大ヤスリ岩。見たら、そら、行きたいわさね。親指立てて「イエィッ!」な雄姿。その親指の腹に攀じ登るなんざあ、そりゃあ、剛毅!!
9月23日岩根山荘発6:00
車で40分ほどで登山口。そこから富士見平経由で取り付きまで2時間ちょい。
いきなり目の前に巨大クラックで圧倒されるが、クラックを上がるわけではないと聞いて、ほっとしたのも束の間、1手目が「えッ」「ど、どーすんの、これ?!」「えーい!行くしかないやい!!」ってな。ま、どのピッチも、そんなこんなの連続。ニワトリさんなら何十個って卵、産んじゃってる。
「コ、コ、コ、コワッ!コワッ!コワッ!コッケコッコー!!!」なんてね。
あれ?コケコッコーって雄?
広いといっても、結構斜めってるテラス。転げ落ちないようにザックも確保して、大ヤスリ岩を眺めながらお昼〜。なんてゴージャスランチ!!
「見て見て〜あんなとこに人がいる〜」
テラスにいる我々を見つけた瑞牆山登山者が口々に話す声が聞こえる。
ウフン!なんか、ちょびっと、鼻高々になっちゃうよね〜
「サルもここまでは登ってきませんから、ダイジョブです」
と篠原さん。
ザックはテラスに残置してと…
さてさて、いよいよ大ヤスリ岩登攀。天に向かって突き上げる岩石神の親指の腹を蟻んこのような人間どもが攀じ登るのだ。蟻んこもヤモリもトカゲも(サルは無理!)登ろうと思えばアブミなんか使わなくても簡単に登れちゃうんだが、哀しい?ことに彼は「登ろう」という意思を持ち合わせることはない。もったいない!
篠原さんは巧みにアブミをさばきながら、こともなげにスイスイ登って行くが。こっちとら、そうはいくはずもなく、武者震〜!!
登り始めてすぐに「あわわ!」だった。ヌンチャク落とすは、せっかく睡眠時間削ってこしらえてきたチョンボ棒落とすは…。もー!!
「コダマさん、皆の注目の的ですよ〜」
などMさんがド緊張の私を見かねてか、声をかけてくれるが、とてもじゃないが、それどころじゃありませんぜ。
なぜかピンの間隔が広いのよ〜!何度もアブミの最上段に登らなければ、次のピンに手が届かない。ピンにヌンチャクかけてそれを真上に引きつつ、岩面に体を沿わせて、そろりと伸び上がる。外側に体が揺れれば、すなわち落ちるわけだから。コワイ〜!!!
「お疲れ様。ちょっとそこで止まって!」 最後のピンをやっつけると篠原さんが待ち構えていてパチリ。ここまでくれば安心のあまり、嬉しくて笑ってしまう。
どうやら、その怒りに触れることもなく、岩石神の懐に抱きとられたようではある。
実は、大ヤスリの前々日9月21日と前日の22日、2連チャンで小川山クライミングだったのですよ。大ヤスリのこともあるから、「そこそこ加減してやろ」などという密かな目論見は、岩に触った途端、すっからかんと忘れてしまい、気が付けばもう夢中で…
なにせ継続は力だな〜とつくずく感じるこの頃で、その日もその日とて、トップロープではあるが10cが続けさまに一撃できちゃったりするもんだから、そりゃあもう、なんとかもおだてりゃ木に登っちゃうわけですよ。
ほんに疲れたわ…
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