もしかしたら、昨年5月に怪我をしてからこれまでずっと「回復期」というべきものであったかもしれないと思ったりする。
退院後、まずは基礎体力低下に悩まされた。低体温と低血圧。ちょっとした立ち振る舞いの度にクラッとめまいがする。体温は終日、35度1分ほど。血圧は上が90を切る有様。我ながらいかにも身体が頼りない。
とにかく食べまくって、体重が54kgを越えたあたりに、ようやく平熱が36度台にもどり、血圧も100欠けるほどに戻った。
今度はわが身が重くなった。重くなったがまだ筋力は戻ってきてはいない。ジムでのコーチトレーニング、クライミング練習、山行を重ねても体力筋力がも戻ってきたという実感が持てない。
できるはずのルートが登れなくて、クライミングの練習のたびに我から幻滅した。歩きに至っては、実にもとの木阿弥。秋の星穴岳バリエーション、暮れの赤岳鉱泉までの歩き、せんだっての仙丈岳の歩きしかり。パーティーについていけず、泣く思いだった。
「こんなんで、ほんとに今年の7月にモンブランをやれるようになれるんだろうか」「トレーニングが間に合うんだろうか」と不安にかられた。
1月15日、16日。城ヶ崎でのクライミング練習。
<1日目>
代わり映えもせず、ちっとも攀じれなかった。
ここぞのフンバリ、火事場のクソ力が利かない。頑張ろうと思っても、岩の途中で足がガコガコ震えるし、腕がすぐに脱力してしまって、頑張りようもない状態になる。頑張ろうという気持ちも萎えそうなほどで、むしろめげる気持ちを持ち直すのに大変だった。
<2日目>
比較的やさしいルートを1本、どうにか登れて気をよくしたのもあったかもしれない。
だめもとで難しいクラックに挑戦してみた。「どうせ、無理なんだけどね」な感じで。
ところが…
「これでいっぱい、いっぱい」までふんばって、それ以上にクソ力を発揮する。それこそ「ンガーッ!!!」「ファイト!イッパーツ!!!」が利いたんである。
それはそれは、今思い返してもものすごい「ふんばり」だった。証拠に、降りてきたら前頭部がズッキンズッキン心臓に合わせて拍動痛がして、左そ頚部が固まったようにキンキンする。踏ん張りすぎて頭ん中プッツンしたのかと思ったぐらい。
「うんと力むと、そういうことあるよ」
前頭部とそ頚部を指で押したり、もんだりしていたら大森さんに言われたほど。
けれど、そのクソ力発揮可能確認は精神的にも効力大で「少し身体にねばりが出てきたのかな」「筋トレ効果かな」を思わせる、いわば怪我から復帰後の初めての身体感覚であり、再びのプチ開眼なような気がした。
もちろん何度落ちたかしれやしない。それはもう膝小僧ときたらアザだらけになった。
終点まで登れたこともだが、それより「ふんばりが利くぞ」確認ができたことが何よりも嬉しかった。
1月20日。ジムでのコーチトレーニング。
大げさにいえば死ぬ気で頑張った。告げられたメニューは全てこなした。1時間のコーチトレーニングとトレッドでの1時間を終えてバスを使い、帰宅したらそのままバタンキュで寝てしまった。
1月23日。湯河原・幕岩でのクライミング練習。
ゲレンデはついこの間、暮れの忘年会クライミングと同じ、それまでにも何度か来たことのあるところ。グレード9以外は怪我する前だって、1度だって終点まで行けた試しはない。10a、10b、10cで難易度はいずれも高い。
つい年末の練習時には1本は離陸すらできず、もう1本は途中で膝がガコガコ。もう1本は前の2本で力尽き、チャレンジすらできなかった3本のルートだ。
それが、3本ともできちゃったのよね~
「なんかやる気、出してるね~」
メンバーは言うけれど、やる気の問題ではなく粘れる手腕、足腰が多少なりとも戻ってきて、ふんばりとクソ力が出せるようになったのだ。
もうね~、大興奮ですよ。自分に感動!ウレシ~~~ッ!!!
「やったね!」
大森さんが言ってくれたときは、実は嬉しくて泣きそうだった。
右手の人差し指、中指、薬指と左手の人差し指、中指の爪が割れてちぎれたが、そんなことは一向に気にもならず、むしろ伸びてきても先が雲母のようにはがれてくるギザギザな爪の手指が有難くもいとおしい。
当日、若いチョーイケメンの初参加があった、ってのはナイショ。
「それ、イケメン効果なんじゃない?」って?
チャウチャウ、そんなヨコシマじゃないから、ってば!!!
1月27日、ジムでコーチトレーニング。
張り切っちゃったね~
「そろそろグレード上げていきますよ」
中武コーチの言に半ば「ギョ」ではあったが。ウルトラ頑張った。
スクワット、ディープ20秒キープ6回、ハーフ20秒キープ4回をクリアしたら、1月16日の城ヶ崎の時のようにクラリめまいとともに前頭部に拍動痛が起きた。
「レッグレイズ90×2、前回プラス10です」も「バタ足90、前回より10プラスです」もクソ力を利かしてクリア。
何が大変だったって、6kg×2のダンベルプレス20回×2。1セット目はよかったが、2セット目の15回ぐらいから上がらなくなって、もうあとは根性でようやくクリア。
コーチトレーニング1時間、自主トレ1時間の後、体重が2kg近く減少していた。
ダンベルプレスにてこずったには、ちょいとわけがある。数日前から指力、それにともなう下腕の内側筋を鍛えるべく小道具を使い出した。持ち歩いて電車中にポケットの中でニギニギする。ひと指100回ニギニギを両手。それを1日2回ほど。
あのね、20、30は楽勝よ。ところが70、80ぐらいから「ンガガ」になる。ことに薬指なんかコキコキ。小指に至っては1ミリ2ミリしか動かない。毎日下腕内側がパンプする。
つまり、腕に乳酸が溜まっていて、ダンベル上げがその分大変だったのかもしれない。
クライミングで「てごたえアリ」だとしても、問題は歩き。1日も早くメンバーについていけるような脚力が欲しい。むしろ、これこそがメイン。
頑張れば報われる。継続は力。成果は努力の賜物。言うのは簡単だがなかなかモチベーションをキープするのは大変。けれど、それを実感できた今、道は遠くてもきっと大丈夫、頑張れる。なんとか再びスタートラインにつけた。そんな気がしている。
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