再準備-2・リハビリ登山/乾徳山:下山

汗かきベソかき、ゼーハーゼーハーでも1歩ずつ前へ進めば、そのうち登頂はする。
問題は下山。登頂でどのくらいの体力を消耗したか、下山開始時にどれだけ体力と脚力を温存できているかが問われる。登頂以上に筋力が必要となるのが下山なのだ。

09101807.jpg登頂とは違うルート・下山道を行くことにする。山頂からしばらくはいくつか岩場をクライムダウンしなければならず、これが案外怖い。鉄ばしごを降りるのは苦手。後ろ向きに足を下ろしていく。足場を確かめるためには、どうしても下を見下ろさねばならず、お尻がもぞもぞ。

難所を降りきると今度はガレ場が続く。ごろごろしている大きな岩は昨日の雨で若干湿っている。おまけにうっすら苔が張り付いている。
滑る、滑る!
「滑ったら大変」と思うあまりこしが引けると体重が後ろにかかり、ますます滑る。実は雪道でもざれ場でも、たとえ岩ゴロゴロのガレばでも、基本、下山はフラットフィッティング、すなわち着地面に平行に足を下ろして平行に体重移動。岩面を下に押さえつけるように載せていく。

だんだんに腿筋のストッパーが十分効かなくなってきて、そのうち膝が笑い出す。頭ではわかっていることができなくなる。ますます腰が引ける。滑る。
滑ってシリモチぐらいなら「おケツ痛て!」ですむが、下手すれば足首を捻挫したり、最悪骨折なんてことにもなりかねない。ダブルストックに頼りきりになる。腕、肩によけいな力が入る。高原ヒュッテにたどり着くころには膝は大笑いのワラワラ。肩・首がカチカチ。全身よれよれ。なんとかコースタイムをキープできているのが、むしろ不思議なくらい。高原ヒュッテ着13:55

幾分、大きな岩ごろごろが減ってきたとはいえ不規則な下りは、これでもかと続く。ますます降りのスピードが落ちる。
「ねえ、こんなチンタラ歩いてて大森さんとこでなんか言われない」
「言われまくりだよ」

最近、豆板醤は沢登りのグループに入ったんだが「歩きが遅い」だの「そもそも歩き方が間違ってる」だのペケキャラになってしまっているんだとか。豆板醤でさえそうなんだから、アタシがなんや言われたってしょうがないやね。「スマセン、鍛えなおしてきますです」と頭を下げながら、それでもめげずにくっついていくしかない。筋トレしたって、そうそうすぐにどうこう歩きが強くなるわけでもなく、鍛えながら歩きながら「強くなるんだもん、ボクチャン!」などペロリ舌を出すぐらいな図々しさなくしては、とてもじゃないがやっとれんのよ。悔しければ強くなる、それしかないわさ。

下山完了15:30。
全身、くたくた。
でもね、アタシとしちゃ上出来よ。膝は大笑いはしたが泣き出しはしなかったのだ。医者より薬より何より「鍛える」これが最高の妙薬だよ、やっぱり。

ボロ雑巾は湯に浸すに限る。
塩山駅周辺のなんちゃら温泉。甘露!!!

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