再準備-2・岩始め/幕岩(初日)

9月5日、6日、大森義明氏主宰のOFFICE ALPINEのクライミング練習に参加した。湯河原・幕岩ゲレンデ。

前週末に八ヶ岳登山をし「なんとか歩ける」は確認済みだったんだが、どっこいやっぱり「大森組」は歩きが早い。岩場までのアプローチの20分、ついて歩くに汗だく。
「久々のダマ小隊だよ」
早速に懐かしい「いじり」が入る。大森さんとの間が見る間に開き、最後の5分で心臓爆裂寸前。「お先にどうぞ」で小隊長も返上。岩場に着いてしばらくは、ただゼーハーゼーハーでハーネスをつけるさえできなかった。こんな調子じゃとてもバリエーションは参加できない。「まあまあ、いいよいいよ。そのうちだよ。バリバリ鍛え直すさ」など自ら慰めるのがせいぜい。正直、自分にガッカリさ。

あれほどこの瞬間をわくわくしながら何ヶ月も待ったのにいざ岩を前にすると、とても登れる気がしない。身体が落ち着くのを待っているふりをしてしり込みしていたら「はい、やってみよう」無情にも声がかかる。ほんとはメンバーが勇気づけようとしてくれているのは痛いほどわかるんだが…

09090501.jpg「復帰第1弾!」内心、ド緊張。
遠洋航海から帰ってきた夫を迎え入れる妻よろしく、なんだかもぞもぞ。岩に自然に抱き取られていく感覚からはほど遠い。おっかなびっくりで、だた緊張。最初から足はフルフルするし、選んだスタンス、ホールドに自信をもって体重をかけられない。怖いのだ。どこをどう攀ったやらわけもわからず、なんとか始点までたどり着き、下へ降りたら大疲労。コワカタヨ~

午前中はシンデレラフェイス「シンデレラ」「かぼちゃ馬車」「トムソーヤ」の3本。5.7、5.6、5.8の初心者向きルートはどうにかクリア。やっていくうちになんとか港妻も「夫」の肌合いを思い出し、「やっぱ岩はいいな~」と思えてくる。

午後からはアリババへ。10a、10bの壁を見上げてさらに緊張。
「うぇーッ!無理。できないッ!」

真ん中のロープ「アリババ・10a」は以前に経験しているが、両端の「アリババ・10b」は未経験。「マゾおけさ・10b」は歯が立たずギブ。できる気がしない。

「はいやって」
どうしても尻込みしてしまいがちになるのを見透かしたように声がかかる。

「ま、いいや。やるっきゃないや」

「どうせやるんならマゾから行くわい」
破れかぶれで、岩に取り付く。ただ夢中。がむしゃら。頭、真っ白。気がついたら登りついていた。「マゾおけさ」を登れたなんて、とても信じられない。
もっとも、幾度となく落ちてブランだった。ビレーロープに引っ張り上げてもらったに近くはあったが。

「もしかしたら、あれもいけるかも」
調子ぶっこいてアリババ10bにトライする。どうにもならない。
午前中の3本と「マゾ」で腕の筋力を使い果たしたらしく、ここぞで腑抜けたように力が入らない。踏ん張ろうとすると足がガコガコする。
ダメだがな~

午後4時前に上がり、買出しに出かける。スーパーで各人、思い思いの食糧を買い込んで「しとど庵」でお約束の「宴」が始まる。
飲んだね~

誰もお気づきでないが、「飲み」だけは着々と腕を上げてきているのだ。ふだん飲まない焼酎をメンバー持参のあれこれをロックでグビグビ。

むしろ以前よりメンバーが近くなったような気がして(気のせいか?)、それが何より嬉しくて。よっぽど「忘れちゃって、できない」かと思っていたのが10までやれたのが嬉しくて。

脳みそって1度インプットされたことは覚えていてくれるんですね~

出かける前から意識した以上に緊張していたらしく、肝心のカメラをザックに入れるのを忘れてしまった。写真はメンバーの中谷さんに撮ってもらった。
実際よりずっとカッコよく写っている。

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