桜丘に新しいバス停ができたっ!
たびたび書いていることだが、筆者は我らが桜丘の街であれば路地の一本まで通ったことのない道はない。それで改めて思うのは、商業地の部分があり、住宅地があり、電車が通る線路沿いもあり、また都市交通の大動脈である国道に高速道路が走っている場所もある。象徴とも言えるだろう坂道を上がりつつ、それらいろいろな“顔”を見て回る。散歩をしていても飽きることのない街だとつくづく思う。
とはいえ……寒かったり暑かったり、はたまた疲れていたりすると、やっぱりゲンナリすることもありますわな、桜丘の坂(笑)。
「そりゃそうだよねえ」、そう話を引き取ったのは中央通りの頂上にあるまもなく創業60年の老舗仏具店『ほんもん屋』のご主人・的場亨さん。
「昔は当然、舗装されていない土の道だからねえ。一雨降ったら大変なもんだったことを考えればいまはありがたいけれどね。でほら、ウチのお店のお客さんはやっぱり年配の人が多いでしょう? そうすると渋谷からでも鶯谷のほうからも坂を上がってくるのが大変で。だからみんな“トランセ”で上がってくるんだよね」
トランセ?
こちら老舗の「東急トランセ」。
渋谷駅から代官山を循環します
そう、それは桜丘を通っているバスの名前。東急バスが運営しており、渋谷駅を出発して国道246号を上がり、南平台や代官山を通りつつ桜丘に入り、最後は渋谷駅に戻る循環バスである。日中は約10分間隔で運行しており、料金は大人150円(小児80円)。嬉しいことに日曜祝日は大人100円(小児50円)となり、また平日でも2人以上の同伴乗車になると大人100円となる。『ほんもん屋』の目の前には停留所「渋谷インフォスタワー」があり、みなさんそこまで乗ってくるわけだ。
そんな桜丘のバス事情、これが大きく変わる出来事が昨年末にあった。なんと新しい停留所ができたのである。新しい電車の駅ができるとなれば、一大事業(マンションを建てるが如くだし)としてイヤでも目につくものであるが、ことバス停だと穴を掘って立てるだけ。電柱の建て替えや街路樹の切り倒しと同じようなものなので、まったく気が付きませんでした(笑)。
昨年12月21日に新しくできた停留所は「文化総合センター大和田」。セルリアンタワー側に同名の停留所はすでにあり、渋谷区が企画して東急バスが運営する「ハチ公バス」の“恵比寿・代官山循環夕やけこやけルート”が停車している。今回の「文化総合センター大和田」停留所は二つ目になり、こちらには「ハチ公バス」の“渋谷区役所循環ルート”が停車する。料金は大人も子供も100円だ。
新しくできた「大和田シャトル」。
ハチ公口から2分で桜丘の坂上に
そしてこの新停留所には新路線も運行されている。“Q”のマークでおなじみ富士急の運営するバス会社・フジエキスプレスが運行する「大和田シャトル」で、「渋谷駅ハチ公口前」停留所から、この「文化総合センター大和田」までをわずか2分で結ぶ(反対ルートは『ヒカリエ』前を通るなどして7分)。ほかに停留所はない、文字通り文化総合センター大和田までのシャトルバスなのである。毎朝10時から夕方5時までの運行で、こちらも料金は一律100円となっている。
このバス3路線で桜丘の頂上まで楽々アクセス!はもちろんのこと、全路線とも循環バスとして代官山や恵比寿だったり、渋谷区役所方面、『ヒカリエ』など観光名所も多い街並みが路線に入っている。いつも健脚で坂を登ってくるみなさんも、たまにはバスでゆっくり桜丘と渋谷区内の街並みをご覧になってみるのもまた一興かと。