桜丘の一大イベントである「渋谷・桜丘さくらまつり2011」が今年も去る7日からスタートした。
桜通りに飾られている協賛の提灯を眺めつつ(今年は弊社も出しております、はい)坂を上ると、すぐにお目当ての店がある。桜通りの、いや、桜丘の名物店『鳥金』だ。
会社の終業時に通りかかると、すでに多くのお客さんで賑わっていること多数の鳥金。この日は開店の17時に扉を開けてみる。迎えてくれたのはご主人である佐藤敦志さん。
佐藤さんは21歳だった16年前、「飲食関係はバイトくらい」でありながら鳥金を開店。開店したのも桜丘の地だったことも「たまたま縁があったので」と言うことだが、そのときから佐藤さんはお店だけではなく住まいも桜丘に移ってきた。
「もともとお店の近所に住むつもりだったんです。ほら、飲食店だと夜が仕事ですから、それで電車だと飲んでいて寝過ごしたりもしそうですよね(笑)。それに近くでないと家族との時間も持てないですしね」(佐藤さん)
縁あって桜丘にやってきた佐藤さんだが、いまや桜丘が中心になっての毎日だ。「渋谷なのに渋谷で語られる道玄坂などとは違う、下町で住みやすさがありますよね。生活そのもの、そして自分を成長させてくれた場所ですよ。あ、ウチの目の前に、いまはマルイ堂さんがありますけれども、その前は10年以上も空き地だったりしたんですよ」渋谷からこんなに近いのに……不思議ですよね? そう微笑む佐藤さんの手から、料理が次々と登場し始める。
鳥金の鶏は宮崎日南の地鶏。串に打った焼き鳥はもちろん、名物として「地鶏のもも身炭火焼き」や「地鶏メンチ」、「地鶏の刺し身」などが登場する。
「地鶏の炭火焼きは、宮崎だと有名店などは骨付きで焼いたものもあるのですね。(奥さんが鹿児島出身ということもあり)僕は年に1回は宮崎に行って、地鶏だけでなく、いろいろと名物を食べ歩くんです。その店のこれという一品を食べて、それで出て次の店へ……って、一夜で8軒くらい回ったこともあります(笑)。そこで食べた経験から、ウチの炭火焼きは骨から外して焼いているんですよ」(佐藤さん)
ご主人自らが本場宮崎の名物を食べ、そしてそれが鳥金のメニューに昇華している。こんなに頼もしい料理もないものだ。
「ただ、宮崎というと鶏も牛もいろいろと騒動がありましたし、いまもありますよね。大変な苦境で、いろいろな支援の方法はあると思いますけれども、いちばんはその宮崎地鶏を食べることだと思うんです。ですからウチに来ていっぱい食べていってもらいたいですね」(佐藤さん)
そんなところで、お客さんがやってきた。その常連のお客さんは佐藤さんと宮崎行きをともにし、宮崎地鶏の店にもご一緒したとか。
「向こうでも食べたけど、やっぱりここのがいちばんだよね」
はは、それはウチで食べ慣れているからでしょ――そう言って、佐藤さんは笑うと目が無くなる笑顔を見せた。
某テレビ番組でも取り上げられた個性的な佇まい(失礼!)、思い切ってその扉を開けると――うまい宮崎地鶏、うまい酒、そして笑顔やさしきご主人が、待っている。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「自分を成長させてくれた場所。そして生活そのものです」
店内は特等席の調理場カウンターと、写真の後方にもカウンター席がございます。小上がりは2名様からどうぞ。
カウンターに並ぶ焼酎の後ろには、
某局の番組から贈られたフィギュアも。
「写真撮っていく人、多いですよ」(佐藤さん)
炭火焼きで仕上がったのは「地鶏もも身炭火焼き(小)」630円也。炭火焼きの香ばしさに、宮崎地鶏の歯応えと旨みが楽しめます。付け合わせのキャベツ、そして酒も進もうというものです。酒は勝浦の地酒「腰古井」630円也。
続きまして
「地鶏メンチ」420円也と 「地鶏刺し身」630円也。
メンチは宮崎地鶏の挽肉にチーズイン。ビールも進もうというものです。刺し身は鮮度がよくなきゃ出てきませんよ。噛むほどの旨みに酒も進もうというものです(この日2杯目)。
【今回の桜な人々】
鳥金
佐藤 敦志 さん
〒150-0031
渋谷区桜丘町16-10 (マップ)
ホームページ
http://www.shibuyakyoueikai.com/shop/torikin.html