前編では、誰もが大好きないちごが『私の思い出』を運んでくれたことをお伝えしましたが、後編は現実的ないちごの栽培についてお伝えします。
いちごの栽培はいちご狩り等で見たことも多いと思います。
水耕高設栽培や土耕栽培が主。
農家さんの仕事もしやすく、お客さまも楽に楽しめるように、水耕高設栽培が目につくことが多いですね。 さて、その水耕高設栽培はどんなものなのかご存知かしら?
そもそも植物は大地と天の恵みの産物。
その栄養がたくさんつまった土の代わりに、水に液肥を入れたもので育てます。
水は腐ってしまうので、もちろん腐らないようにするものも入っていて当然。
でも、少し疑問を感じませんか?
近ごろはスーパーでよく目にしますが、レタスやハーブ類を電気の光と水で育て、「室内で虫がつかないから農薬を使わない=無農薬」といったアプローチでお野菜類も販売されています。
それはもう、天と地の恵みじゃない。
いつでも栽培できるし、季節だってめちゃくちゃ。
これは、私たちにも責任があるのです。人気者のいちごが季節を問わず使れますし、クリスマスケーキだって誕生日ケーキだっていちごだらけですから。
そして、近年多用されているネオニコチノイド(農薬)。
水溶性で残留性が高いこの農薬は殺虫剤の原料にもなっていますが、野菜や果樹の殺虫目的での使用が日本では認められています。
フランスやドイツでは使用禁止となっているネオニコチノイド系農薬。
欧米に比べかなりゆるい日本の規制状況なのです。
一方とても病気に弱いいちごだから、農薬を使わない栽培はとても難しい。いちご狩りではそのまま口に運ぶので、その期間は散布していなくても、お客さまが喜ぶいちごになるまでにはどれだけ使用しているのか?
日本=安全
それは真面目に言われた通りに作業していることであり、品質として本当に安全なのか?
目の前の食べ物がいつ、どこで、どうやって作られているのかもっと興味を持ってみませんか?
旬のものをいただくというのはただ作られたものではなく、天と地の恵み。
その命をいただき命をつなぐということが『食べ物』ということを、心にとめておく。それは忘れてはいけないことですね。