ハッピーファーム・横濱野菜『畑の思いが近づくね』@ Cafe & Meal MUJI横浜ベイクォーター地元”横濱野菜”野菜作りに込める思い!

happyfarm01.jpg去る10月24日(木)、神奈川県横浜市の「Cafe & Meal MUJI横浜ベイクォーター」にて、生産者・農家さんの野菜作りに込めた思いを知ってもらいたい、消費者として生産者の声を聞きたい、野菜がどのように育てられているかを知りたい……そんな思いから「ハッピーファーム・横濱野菜『畑の思いが近づくね』」が開催された。
畑と食卓の距離がぐっと縮まるイベントとして、当日は地元横浜の農家さんである山本泰隆さんと田澤仁さんをゲストに招き、野菜作りに込める思いなどを語ってもらいながら、地元“横濱野菜”を使った料理をいただくなど、楽しいひとときとなった。

happyfarm02.jpg運営協力の“濱の八百屋”三橋壮さんが司会進行をつとめイベントがスタート。

三橋:横浜ってキャベツの生産量が多いんですけど、なぜ多いのか? 横浜の野菜とは?
そんなお話しを山本さんからいただきます。
山本:ここ「Cafe & Meal MUJI横浜ベイクォーター」から非常に近いところに畑があります。直線で3km、車で15分くらい。横浜市は西区を除くすべての区に農地があり、市域面積の約7.5%を占めています。 都市部としては珍しい。
それから、横浜の農家の特長は直売です。横浜市内の農家は約4200戸あり、野菜の直売所は約1000カ所あります。 横浜市にあるコンビニが1200軒ほどなので、いかに多いかがわかります。

happyfarm03.jpg山本:開港当時、西洋人は自分たちの食生活に欠かせない西洋野菜の栽培を自給自足のために始めました。日本で初めて作られた“横浜開港菜”は、その後、西洋野菜の需要の高まりを受け、神奈川奉行が吉田新田(現在の中区末吉町)で西洋野菜の栽培を始め、横浜に定着することに。それらは14種類もありまして、トマト、エンダイブ、レタス、キャベツ、パセリ、、カリフラワー、芽キャベツ、ニンジン……。ニンジンは日本にもありましたが、現在主に販売されているものは西洋種。それから、イチゴ、西洋ネギ、ラディッシュ、セロリ、アスパラガスですね。

happyfarm12.jpg山本:私の専門はトマトですが、食用のトマトが初めて栽培されたのは、1863年中区末吉町の畑でした。その後、西洋野菜栽培農家のひとりである清水興助が加工事業を始め、国産初のトマトケチャップを作ったといわれています。横浜がナポリタン(スパゲティ)発祥の地とされているのもうなずけます。
横浜で生産量が多いのは、小松菜、カリフラワー、キャベツ、ほうれん草。葉菜類(葉っぱを食べる野菜)の生産量が特に多い。生産量は約6万トンあり4割が直売、残りが農協などに出荷され流通しています。

happyfarm05.jpg三橋:葉菜類の生産量が多いというお話がでたところで、田澤仁さんにキャベツについてお話をいただきます。
田澤:“横浜キャベツ”というブランドがあります。キャベツは江戸時代にオランダから伝わり、明治時代に横浜で生産が盛んに行なわれるようになりました。大正から昭和の初期に神奈川の片倉地区から横浜市全域に広がり、それが“横浜キャベツ”の原型。横浜のキャベツの生産量は約1万3000トン。玉でいうと約1040万個。横浜の人口が現在、約370万人なので、年間にひとり3個食べると、地産地消になります。自分の夢は地産地消です。神奈川県産の三浦のキャベツは売っていますが、横浜のキャベツってなかなか見ませんよね。地方に流れているようでして、まず地元横浜で消費するようになればと思っています。“横浜キャベツ”をもっと広めていきたい。

happyfarm04.jpg田澤:目の前にキャベツが2種類ありますが、品種が違います。ちょっと扁平な形の小さい方が“藍天(らんてん)”。冬型のキャベツに近いですね。よりは加工に向いているキャベツです。もうひとつの大きめのキャベツが、“しずはま”といいます。このキャベツは私の中ではいちばん美味しいと思える品種です。一般的には春キャベツが有名で美味しいと言われていますが、この時期の“しずはま”は格別です。なにより生食用なので、サラダや千切りなど、このキャベツ食べたら他のシーズンのキャベツは食べられないというほどの代物です。

happyfarm09.jpg三橋:今日ここにあるキャベツは今朝収穫したキャベツです。この2種類のキャベツを食比べてみましょう……。
(テーブルに2種類の千切りキャベツが運ばれて)

happyfarm07.jpg田澤:このふたつのキャベツは味がまったく違います。
今年の夏は暑かったですが、種を蒔いたのが7月10日。夏蒔きキャベツの発芽適温は15~30℃ですが その時期は雨が降らず、照りが続いたので、気温は30度を越えることが多く、そうするとなかなか発芽しにくい。それを発芽するように種を蒔いた後水を巻き、藁を敷いて日陰を作り、
地温を下げ発芽するまで常に同じことを繰り返します。害虫も多いので種蒔き後直ぐ防虫用ネットをかけ減農薬に努める。広大な畑での作業は、時間がかかります。その後、藁をとり、一カ月ほど様子をみてから、苗を抜いて定植をします。

happyfarm08.jpg田澤:ここからが苦労します! 定植が8月10日。雨が降ればそのまま植えられますが、降らなければ、その部分に水を巻き植えます。植えた後にもう一度水をやります。一日に約2000本を2〜3人で手植えします。午後3時ごろから植えて5時からは日が暮れるまでに水をやり、元気が出るのを確認するまで水をあげます。雨が降らないこの時期には何度も水をやらないといけないけど、それだけ愛情がこもっているともいえます。だから、この時期(10月下旬取材)のキャベツは格別に美味しいといえます。
それから一カ月くらい経つと、真ん中が結球し始めますが、まだ、みずみずしくはない状態。外側の日光のあたった部分は厚くなるので、エグミが出て食べられないですが、外側の葉っぱは熱冷ましになります。そして2週間後には、かなり隙間がうまってきます。さらに2週間で収穫目前の状態に。収穫時期は種をまいてから約3カ月。春のキャベツは10月から種まき7カ月かかりますが、暖かい時期から育てたものは3カ月です。

happyfarm06.jpg2種類のキャベツを食べ比べたお客さんの反応は「堅さが全然違う」とまずはビックリした様子。そして「芯にいくほど甘くなる」など、改めての発見が……。

田澤:“藍天”の芯の部分は白菜に近い感じです。硬くて荷崩れしにくく、茹でると甘みが出るのでロールキャベツに合ってますね。
三橋:ぜひ今回はキャベツの品種も憶えていってください。この2種類の他には、秋冬の“横浜キャベツ”として、YR春系305号とYR銀次郎があります。YR春系305号は暑さや寒さ病気に強く、YR銀次郎は寒い冬でも良く育つ。その他に、金系201号、秋蒔中早生(あきまきちゅうわせ)、YRあおばなど。種類にすると、170種類ほど。横浜の地野菜を食べたいのなら直売所をめぐるのがいいでしょう。直売所で売っていたら、それがその野菜の旬ということになります。直売所ツアーなどを企画しても面白いかもしれませんね。

その後、「Cafe & Meal MUJI横浜ベイクォーター」の地野菜を使った料理をいただきながら、農家さんと懇談。帰る際には、鉢に植わったキャベツをその場で切り取り、新鮮なキャベツがお土産として手渡された。

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