『Herkimer DIAMOND!――えんどうもみ展』ハンサムなハーキマーダイヤモンドに魅せられて……

Herkimer001.jpg東京都港区南青山にある「ギャルリーワッツ」で開催された、『Momi Style』でおなじみ、えんどうもみさんの『Herkimer DIAMOND!――えんどうもみ展』 にお邪魔しました。今回のメイン展示となる“ハーキマーダイヤモンド”の魅力について、えんどうもみさんにお話をうかがいました。

ハーキマーダイヤモンドとは、ニューヨーク州ハーキマー地方で採れる水晶。この土地で採れたものだけが、ハーキマーダイヤモンドと呼ばれる。輝きが普通の水晶とは違い、これを初めて見つけた人たちは、ダイヤモンドだと思い、大喜びをしたと言われています。鑑定したところ、ダイヤモンドではなかったと……。

Herkimer002.jpgHerkimer003.jpg磨かなくても表面がツルツルで、向こう側が光って見えるほどに透明度が高い。ふつうの水晶の結晶は柱上に成長しますが、ハーキマーダイヤモンドは両側が剣先のようにとがって成長します。そのせいかあまり大きくは成長できない。もともと水晶の中では、ハーキマーダイヤモンドは高価ですが、大きくて綺麗なものは、より高価なものに。ダイヤモンドほどではないですけど。

Herkimer004.jpgハーキマーダイヤモンドの光りかたを、私は“硬い光”と表現します。ダイヤモンドも光が硬いですよね。質感が非常に似ています。その似た質感を利用して、ダイヤモンドでは高価になりすぎて果たせなかった、夢のデザインをハーキマーダイヤモンドで叶えたいと。贅沢に使ったり、あるいはさりげなく……。これが、すべてダイヤモンドだったら、とても高価なものになってしまうといった感じのもの。値段を気にしないデザイン優先で作ることができます。頭の中のイメージを一気に形にしていきます。

Herkimer005.jpgこの作品は(写真上)ステンレス線を使ってデザイン。ある程度の硬さと柔らかさをかね揃えていて、銅線や真鍮線では上手くいかない表現を可能に。ここで使っている金色のステンレス線はなかなか手に入りづらいもので、ハロゲン光に対してとても綺麗に光ります。

Herkimer006.jpgこちらの大粒のものは(写真上)、なかなか手に入らないもの。ハーキマーダイヤモンドは、形を見てから、その形にあったデザインを考えます。不必要なほどのチェーンの長さが、この作品の特徴。ジュエリーやアクセサリーの領域から、ちょっとはみ出した、アートな感じになっています。留め金もなくシンプルなデザインでチェーンも主役に。ハーキマーダイヤモンドはアートっぽく表現したくなります。今回はギャラリーならではの作品に。

ハーキマーダイヤモンドはアート心がある方がよく選ばれます。上下対象ではない、バランスの悪さが楽しみのひとつでもあり、その形に手を加えない、貴金属で包み込まない、ありのままを見せるようにしています。
美しいものには、できるだけ手を加えない。それが私のデザイン。

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