前置き抜きで行きますよう! 12月4日、東京ドームで行なわれたBON JOVIのライヴレポートです!
この日の東京ドームは三階席までぎっしり。定刻を少し過ぎ場内が暗転すると、怒号のような歓声とともに客席は総立ち! そして巨大スクリーンに浮かび上がる4人のメンバーの姿。ジョン・ボン・ジョヴィ、デイヴィッド・ブライアン、ティコ・トーレス……当然、リッチー・サンボラもいる。今回は参加していなくても、リッチーはずっとBON JOVIのメンバーなんだ、というメッセージにも思えて早くも涙腺が緩む。焦らしに焦らしてメンバーがステージに登場! リッチーがいないステージにやっぱり寂しさを感じてしまったけど、急いで気持ちを切り替えた。1曲目はオープニングにぴったりな『That’s What the Water Made Me 』。ドラムの音が軽い……が、ここは東京ドーム。少々の音の悪さは仕方がない。ジョンが体調を崩しているらしいという噂があったんだけど、見た目からはわからないし、声も良く出ている。どんなギターを弾くんだ?! と構えながら聴いていたフィル・Xは、リッチーとは違う少し尖ったエッジのある音色に違和感はあるものの、リッチーのプレイを丁寧になぞっていて好印象。細かい違和感は俺が細かいから……ではなく、俺がギタリストでリッチーの大ファンだからだろう。テクニックは申し分ないし、ロッカー然とした見た目もカッコいい。フィルは歓迎されていたと思う。フィルという完璧な人材がいたからこそ、ツアーが続いてるわけだしね。
「Are You With Me?」というジョンの問いかけに大歓声で応える東京ドーム。続く『You Give Love A Bad Name 』での客席の歌声にメンバーも嬉しそうだ。オープニングから長めのMCも挟まず立て続けに5曲、そろそろバラードが来るかな、というタイミングでも『It’s My Life 』! 今回は飛ばすなあ。BON JOVIらしい、力強くポジティヴなメロディとメッセージを持つこの曲に、拳を振り上げずにはいられない。この日、バラードと呼べる曲は『(You Want to)Make A Memory 』だけで、いつもよりロックなセットリストという印象。今回は最新アルバムのツアーなんだけど、最新アルバムからは三曲のみ。もう少し聴きたかったな。歴史のあるバンドって、いわゆる往年の名曲を聴きたくなるもんだけど、BON JOVIは違う。進化の止まった過去の大物じゃないからね! 新しい曲もどんどんやってほしい。
気になっていたリッチーのコーラスパートは他のメンバーたちでしっかりとカヴァー。特にデイヴィッドが大活躍! 存在感も大きく、いつもより張り切ってました。ギターやコーラスに限らず、全員がリッチーの不在をカヴァーするかのような、いつも以上に熱のこもったプレイで、リッチーの不在感は最小限に抑えられていたと思う。カヴァーソングを演奏する"ジュークボックス・タイム"でも、デイヴィッドとフィルがそれぞれリードヴォーカルを取った。ストーンズの『Start Me Up 』ではジョンがミック・ジャガーの物真似をご機嫌で披露……(笑)。そして大盛り上がりの『Bad Medicine 』で本編は終了。当然、アンコールを求める歓声が上がる!
デイヴィッドのソロアルバム から『In These Arms』。
ヴォーカルはデイヴィッド自身! ちょっとエルトン・ジョンを彷彿?
アンコール1曲目は『In These Arms 』。ここでもデイヴィッドが1コーラス分リードを歌う活躍ぶり。ジョンは高音が相当キツそうで、ありゃりゃ……となるものの、温かくて感動的なメロディに胸が熱くなった。『Wanted Dead Or Alive 』では、ジョンのリクエストに5万人の観客が応えて、会場中がペンライトや携帯の白いライトに包まれる。幻想的な光景に演出され、元々ドラマティックな楽曲がよりドラマティックに! しかし、1コーラス目をジョンに任された客席の歌声はいまひとつ……。それでも上機嫌のジョンは、ラストソング『Livin’ on a Prayer 』をアコースティックギターを爪弾きながら歌い始める。問答無用の名曲に、今度こそ客席も大合唱! サビは完全に客席の担当でした。
2011年にも一時的にサポートで参加していたフィル・X。ヴォーカルも達者!
ところでジョンはいつものタカミネのアコギだけど、フィルはヤマハのSG?
二人とも日本のメーカーでなんだか嬉しいね
何度も日本のファンに対する感謝の気持ちを語り、またすぐに戻ってきたいと言ってくれたジョン。メンバーがステージを降りた後も、一人ステージに残ってあのキラースマイルを見せてくれた。やっぱり体調を崩していたのか、咳き込むシーンも何度かあったけど、歌声もパフォーマンスもその噂を聞いていなければ気にならなかった程度だと思う。俺たちのジョン(笑)は今回もカッコ良かった!
公演数の少なさも含め、正直なところ物足りなさもあった。それでも、やっぱりBON JOVIのライヴは楽しくて、感動させてくれたということは間違いない。メンバー全員の楽しそうな笑顔がとても印象的なライヴだった。次はまた三年後?! 一日でも早く戻って来てほしいぞ! そして、やっぱりリッチーも一緒に……。
2013/12/04 TOKYO DOME SET LIST
1. That’s What the Water Made Me
2. You Give Love a Bad Name
3 .Raise Your Hands
4. Lost Highway
5. Whole Lot of Leavin’
6. It’s My Life
7. Because We Can
8. What About Now
9. We Got It Goin’ On
10. Keep the Faith
11. (You Want to) Make a Memory
12. Captain Crash & the Beauty Queen from Mars
13. Born to Be My Baby
14. We Weren’t Born to Follow
15. Who Says You Can’t Go Home
16. I’ll Sleep When I’m Dead 〜
w/ Rockin’ All Over the World/STATUS QUO,
Start Me Up/THE ROLLING STONES,
Great Balls of Fire/JERRY LEE LEWIS (David Bryan on Vocal),
You Shook Me All Night Long/AC/DC (Phil X on Vocal)
17. Bad Medicine 〜
w/ Shout
Encore:
1. In These Arms
2. Have a Nice Day
3. Wanted Dead or Alive
4. Livin’ on a Prayer