暑い日が続きますねえ。暑いのが苦手な俺は、オリンピックが盛り上がっているのをいいことに、これ幸いと部屋にこもってテレビ観戦しております。また、今回のオリンピックは開催地がロンドンということで、BGMにいろんなブリティッシュロックがかかっているのも楽しくてねえ。……で、このまま英国のバンドを紹介するのが美しい流れなんでしょうけど、今回はまったく関係のないアメリカのパーティバンド、「POISON」を紹介します(笑)。……だって、オリンピックが始まる前にもう決めちゃってたんだもん。オリンピックには全然関係ないけど、暑い夏にはぴったりのバンドですよう。
POISONは85年にデビューしたアメリカのハードロックバンド。これまたLAメタルの一派でございます。ポップな曲とド派手なルックスで人気を博し、80年代にはアルバム三枚が連続して全米トップ3に入るなど、大成功していました。90年代以降は、度重なるメンバーチェンジや、音楽シーンの変化などによって、人気も低迷していたんだけど、そういった紆余曲折を乗り越えて、今も現役のバンドとして活動しています。
POISONはグラムメタルだの、バブルガムメタルだのと呼ばれるバンドの筆頭で、ある意味で「MÖTLEY CRÜE」の後輩のような存在だったのかもしれないけど、モトリーよりさらに演奏が粗い……というより、はっきり言って下手で、楽曲もモトリーほどのセンスはなかった、なんて書くと怒られちゃうかな。でも、実際そうだったと思う。また、モトリーがメイクをしたり、セクシーな女の子たちと絡んだりしてもワイルドで不良なイメージだったのに対し、POISONは同じことをしてもそうは見えず……まあいまどきの言葉で言えばチャラくてね。コアなロックファンからは舐められてたかな。俺は、楽しくていいじゃん、と結構気に入ってたけど。さらに、高校のころにバンドでPOISONの曲をコピーしてたから、わりかし特別なバンドなんだよねえ。
まあ、ほんとはもうちょい硬派なバンドの曲をやりたかったんだけど(笑)、「VAN HALEN」や「WHITESNAKE」なんかの曲は難しくて(モトリーはチューニングが面倒でやらなかった)。POISONのギターは簡単だったし、ヴォーカルもそんなにキーが高くない。それに、モトリーのような不良の集まりではなかった俺たちのバンドには、POISONぐらいがちょうど良かったのです(笑)。で、やってみたらこれが上手いことハマってねえ。地元の女子高生の間で人気が出ちゃったんですよ。俺、それで調子に乗っちゃったんだよなあ(苦笑)。まあ、女子高生のことは置いといても、バンドの楽しさ、ライヴの楽しさをPOISONの曲で覚えたと言ってもいいかもしれない。
何度も演奏したからよくわかるんだけど、POISONの曲はシンプルでライヴ向き。歌詞の内容が浅かろうが薄かろうが、一回聴いただけで一緒に歌えるメロディや、盛り上がることを第一に考えられたようなサビのコーラスは、ライヴでは実に効果的だ。音楽に何を求めるのかによるけど、楽しく過ごすためにはPOISONがぴったり。哲学的で高尚な音楽が聴きたかったら、そういうバンドを聴けばいい。……でも、正直に言うと、ファーストアルバム やセカンドアルバム は演奏がお粗末で、今の俺の耳にはちょっと厳しい。なので、POISONを聴くときは耳のスイッチを切り替えて、高校時代のただただバンドをやるのが楽しかったころに戻します。そうするとピッチの悪いギターだとか、とっちらかったドラムがまたカッコよく聴こえ……聴こえない(苦笑)。聴こえないけど、昔を思い出して、良い気分にはなります。それでいいかしら。
あんまり褒めてないから、ここらでちょっと褒めておこう。POISONはサードアルバム 以降、急成長を遂げて、楽曲も演奏も段違いに良くなります(凄腕ギタリスト、リッチー・コッツェンが参加したアルバム なんかは「これ、ほんとにPOISON?」ぐらいの完成度なんだけど、そうなると上手いPOISONは聴きたくないとか言いがかりをつけたくなる)。思い入れがあるのはファーストアルバムだけど、オススメはサードアルバムかな。とにかく楽曲が良いし、サウンドクオリティはそれまでと雲泥の差で、成功したバンドの貫禄すら漂っている。でも、それでいてちゃんとPOISONらしい能天気さも保っているという名盤です。聴いてみてね。
POISONは低迷していた時期も長いんだけど、今は復活を遂げ、アメリカではツアーが大盛況らしいです。今年はなんと「DEF LEPPARD」と一緒にアメリカ中をツアーしているみたい。うらやましいなあ。日本にはずいぶん長いこと来てないし、そのカップリングで来てくれればいいのに。もちろん目当てはDEF LEPPARDです、……なんて言いませんよ、言
いません。