第49回 お題編 SKID ROW――なんなら初期メンでもう1回……そう思う俺の親ゴコロ(笑)

更新日が春分の日と重なったので、一回お休みでした。みなさん、待ち遠しかったんじゃないですか(笑)? 今回のお題は、なんと「SKID ROW」ですって。
前回の「METALLICA」はまだしも……、うーん、ますます時代と逆流していくなあ。まあ、それを期待している方もいらっしゃると信じて、このまま行きますよう!

SKID ROWは、89年にデビューしたアメリカのハードロック/ヘヴィメタルバンドです。現在も活動しているんですが、98年に、バンドの象徴的な存在だったシンガーのセバスチャン・バック(以下バズ/セバスチャンのニックネーム)が脱退してからはまったく違うバンドになってしまい、俺は聴くのを止めちゃいました。本国ではわからないけど、日本では俺と同じような人が多いと思うなあ。そんなわけで、初期のお話ばっかりになりますけど、ご了承くださいませ。

skids.jpgSKID ROWはジョン・ボン・ジョヴィが見出したバンドとして、鳴り物入りでデビュー。ルックスが良いメンバーが揃っていたこともあって、音が出回る前から人気が出たという、アイドルのような一面もありました。
あまりにルックスが良かったので、反対に音はたいしたことないんじゃないかという先入観を持ってしまい(苦笑)、俺はしばらく敬遠していたんだけど、テレビで観たPVがカッコ良くてねえ。ルックスももちろんだけど、それ以上に楽曲が良かった。「BON JOVI」ゆずりのキャッチーさがありながらも、BON JOVIよりもハード&ヘヴィで、血気盛んな高校生にはたまらなかったのです。

サウンドだけじゃなく、歌詞もね、『Youth Gone Wild 』や『18 And Life 』といったタイトルからなんとなくわかってもらえると思うんだけど、怒れる少年(笑)のフラストレーションやナイーヴさを表現していて、共感せずにはいられなかった。実際、メンバーは20代前半ぐらいだったろうし、バズに至っては、レコーディング当時は19歳だったとの記事を読んだ覚えがあります(デビュー時には21歳)。若い! そら、キッズの気持ちもよくわかるよね。……ただ、やっぱり若いからなのか、ライヴ映像を観ると、演奏がひどくって(苦笑)。
まあ、もちろんデビュー当時のことだし、上手ければいいってわけじゃないけどさ。でも、他のメンバーはともかく、バズの歌は、少々音程が悪かろうが、とても心に響いたのです。これでもかと力を込めて、全身全霊で歌う姿には痺れました。
特にバラードがね、なんでこんなにエモーショナルなんだろう……って。

そんなわけで、俺にとっては、バズこそがSKID ROWをSKID ROWたらしめていたキーパーソンだったんだけども、他のメンバーとの確執によりバズは脱退。その前から音楽性も少しずつ変わってきていたし、ちょっと心配してたら案の定でした。
その後、バンドは新しいシンガーを加入させたんだけど、正直なところ、なんでこの人? としか思えないような人選でね。バズよりも上手いのかもしれないけど、SKID ROWらしい、ギリギリの危うい魅力が無くなっている。俺はもう興味が持てなくなって、それ以来ちゃんと聴いていません……。

一方、バンドを辞めたバズはソロ活動を始めました。アルバムはSKID ROWほどの出来ではないものの、ライヴではあの声でSKID ROWナンバーを歌ってくれるわけだから、本家よりもツアーは盛況なようです。ちなみに、バズはソロになってからも何度も来日しているけど、SKID ROWはしていない。ファンは正直だよね。そして、もうひとつ。バズはなんとミュージカルでも活躍しています。
あのバズが、歌って踊るんですよ(笑)。俺もブロードウェイで『ロッキー・ホラー・ショー 』を観たんだけど、バズは、他のミュージカルスターとは一味違う、ロックスターのオーラを体中から発散していて、カッコいいのなんのって。歌って踊るバズも魅力的でした(笑)。
そして、そうやって毎晩ミュージカルで鍛えられたからなのか、歌唱力も格段にアップ! 来日公演でも、あのエモーショナルな歌声に強力な歌唱力が加わっていて、もう、鳥肌立ちっぱなし。ただ、バンドは普通……。これがSKID ROWならなあ、と思わずにはいられませんでした。

メンバー間の確執がどの程度のものなのかはわからないけど、一回だけ、お試しでいいから一緒にやってくれないかなあ。そうするとお互いのケミストリーも再確認出来るだろうし……。まあ、やっぱりこいつ嫌い! ってなるかもしれないし(苦笑)、以前のように売れるのは難しいかもしれない。でも、残念ながらどちらも以前ほどの音楽は作れていないんだし、プラスも多いはず。あのデイヴ・リー・ロスだって「VAN HALEN」に戻ったんだし、可能性はゼロじゃない……、と信じたい! 期待してていいよね? ね?