毎日毎日暑いんじゃー! 暑くて良いことなんか女の子が薄着なことだけじゃ、あほー! ……あら、あまりの暑さにいつもとテンションが違ってしまいましたよ。おほほ。失礼しました。
そんなわけで、今回はちょっと涼しくなりそうなバンドを紹介しましょうかね。「THE POLICE(以下ポリス)」ですよ。
ポリスは1978年にデビュー、斬新な音楽性や高度な演奏力で、世界最高のロック・トリオとまで言われたバンドです。世界最高って、これ別に言い過ぎじゃない。まあ、世界最高はクリームだ、いーやジミヘンのエクスペリエンスだ、いやいやニルヴァーナだろ! なんて声もありましょうが、俺はもう、断然ポリス! 単純にセールス的にも、音楽的にも、ほかのバンドと比べてもまったく遜色ないと思う。
ところで、俺がポリスを知ったのは、バンドが事実上の解散をした後。つまり、ちっともリアルタイムじゃないんです。小学生のころ、『EVERY BREATH YOU TAKE 』という曲が大ヒットしていて、その切ないメロディにやられてしまったのが最初なんだけど、あの曲がポリスの曲だと俺が知ったころにはもう活動を停止していました。
その後はメンバーそれぞれがソロ活動を始め、ベース&ヴォーカルのスティングはポリス以上に大成功。でも、俺にとっては遡って聴いたポリスのほうが魅力的でした。
イギリスのバンドらしい湿り気と、狂気を含んだインテリジェンス……。子供のころにそんな小難しいことを考えていたわけじゃないけど、頭の良い人ゆえの怖さ、みたいなものは感じてた。ポリスは、暗い曲はとことん暗いし、明るい曲調でもなぜだか暗い。それがポリスの本質をよーく表していたように思う。なんでそんなのに惹かれたのかって? 聞きたい?
……俺、暗い子だったんですよ! 心に闇を持ってたんですよ! 絵の具は黒とか紫ばっかり使ってたんですよお……! ……いかん、暑くてまたおかしなテンションに……。まあ、とにかく、暗いというか、冷たいというか、その独特の空気感がたまらなかったんです。
中学に入り、ギターを始めたころはハードロックに夢中になっていたんだけど、それとは別に俺の初めての男(笑)、ニューウェイヴも変わらず聴いてはいたんだよね。ただ、ニューウェイヴに関しては、新しいバンドを探すというよりも、深く掘り下げるようになっていて。なかでも、やっぱりポリスは別格でした。ポリスはどちらかといえばシンプルなアレンジをかっこよく聴かせるバンドで、何をやってるのかわからん、なんてことはそうなかったんだけど、聴くと弾くとじゃ大違い。
コピーしてみるとなんとなく形にはなるものの、完璧にコピー、なんてことはとてもじゃないけど出来ませんでした。2008年の来日公演でも、ギタリスト、アンディ・サマーズの手元を凝視、弾き方を確認して、だいぶ間違ってたのに気づいた……って、そう! ポリスの再結成ライヴを観ることが出来たんですよ、俺。
先に書いたように、まったくリアルタイムではなかったので、ライヴを観に行くなんてことはもちろん出来ず、しかもスティングがソロで大成功していたうえに、再結成については否定的だったから、ポリスの再結成なんて想像もしてなかったんだけど、MTVの記念式典だかなんだかでまさかの再結成をし、まさかまさかの世界ツアー、そしてまさかまさかまさかの日本ツアーも実現……!!
そのときの俺の興奮、わかります?単に嬉しいとか、楽しいとかそんなレベルじゃない。大げさじゃなく、子供のころの夢が一つ叶ったんです。生きてて良かったって思った。
ポリスのライヴはほんとに凄かった。まず、東京ドームなのに音がクリア。あんなことって今に至るまで経験無い。これはメンバーが三人しかいないってことも関係していると思うけど、ギターもベースもドラムも、一音一音がはっきり聴こえるし、ドーム特有のぼわぼわした感じが全然なかった。まあ、場所によってはそんな感じになってたのかもしれないけど、俺がいたスタンド席では、ほんとにクリアで迫力のあるサウンドでした。
そして文句なしの演奏力! スティングの歌声は昔と変わらず高音も出てるし艶もある。ベースに関してはもう、なんであんなの弾きながら歌えるの? って感じ。ギターのアンディは見た目はおじいちゃんになってたけど、そのキレのあるプレイは相変わらず! そしてドラムのスチュアート・コープランド。手数の多いプレイ、独特のスイングするグルーヴ……。彼こそがポリスをポリスたらしめている大きな要因、と俺は思っています。
あの三人が、目の前で演奏をしているという事実に感激したのはもちろんのこと、昔、レコードで聴いた以上に素晴らしい演奏をしてくれたことが嬉しかった。
あれ以降、またポリスは活動を停止してしまったけど、たった一回でも、彼らのライヴを体験できたことは俺の一生の宝物。俺も誰かにそう思われるようなバンドをやらなきゃね……。