リュウセイ


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長野県・松本フィルムコミッション、塩尻・木曽フィルムコミッションの全面協力のもと、松本市出身 (松本蟻ヶ崎高校卒)の河野正人による初の映画プロデュース作品。監督に多数の短編映画祭で実績があり、今作が長編デビューとなる谷健二を抜擢した。

キャストには『クローズZERO 』(07年)で三池崇史監督に才能を見出され、その後『イエローキッド』(09年)で第65回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞するなど活躍が期待される遠藤要、『ごくせん 』(05年)の第2シリーズで俳優デビュー後、『仮面ライダーカブト 』で知名度を上げ、ドラマだけでなく舞台や映画出演も続く佐藤祐基、『ミュージカル・テニスの王子様 』の5代目青学・手塚国光役やスーパー戦隊シリーズ第36作『特命戦隊ゴーバスターズ 』にブルーバスター・岩崎リュウジ役などで注目を集め、舞台、テレビ、映画にと幅広く活躍している馬場良馬の3人が同級生を演じる。


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12年前、ある場所に偶然集った享(遠藤要)、竜太(佐藤祐基)、晴彦(馬場良馬)の3人。流星(リュウセイ)を見ることが目的だった3人は、翻って現在、それぞれの人生を歩んでいる。東京でキャバクラの送迎をしている竜太。バンドを辞め地元の居酒屋で働いている享。晴彦は一流企業で働いていたものの借金を作り、金を借りるために実家に帰省していた。そんなある日、彼らに少しだけ変化が訪れる……。
夢や悩みを抱えながらも普通の高校時代を過ごした3人。偶然ある丘で出会った彼らは、流星(リュウセイ)を眺めることが目的だった。あの日、3人は流星を見ることができたのか? そして何を願ったのか? それから12年……。

30歳といえば、自分の夢に向かって突き進み、ある程度の結果が現れ、自分で仕事もこなせるようになっている、そんな年齢ではないだろうか。しかし、うまくいかずに立ち止まっている人も多いと思う。その後者となった彼ら。不可抗力によって自分の夢を諦めた男、自業自得で悩む男、そして暗い過去を抱えた男。パターンは違えども立ち止まってしまっている3人の状況は、現代社会において妙にリアルである。

3人の中でも、まずは自分の優しさゆえに前に進めない享に歯がゆさを感じずにはいられない。演じる遠藤要は『クローズZERO』、『ROOKIES 』、『ハードロマンチッカー 』など、なにかと“怖い男”の役が多いが、今回は心優しい男をみごとに演じている。影で応援する居酒屋の常連客の彩の存在が大きい。そんな彼女の応援もあり享の心は動く。

ある人物からの電話を避け続ける竜太とキャバ嬢との絡み。キャバ嬢と送迎の運転手なんて関係はすぐに“どうにか”なりそうなものだが、両者の関係はなかなか面白い。物語の最後で二人がとった行動は?

借金を返済するために、一度は捨てた故郷の友人をあてに帰省した晴彦。考えが甘いというか同情の余地はない。そして地味な仕事を続ける父親を軽蔑するかのようなその態度。そんな彼のことを友人も父親もわかっているのだ。先輩からの直言はは非常に重く、彼の胸に刺さる。そして、父親の背中は大きいのであった。そこで彼は何を悟ったか。

3人はそれぞれに、人との出会いを通して、人生を再発見していく。最後に小さな幸せを見つけ、一歩前へと進む……。その小さな一歩に心がほっこりとする。
ハリウッド映画のようなド派手さもなく、サスペンス映画のようなドンデン返しもない。リアルな現実がゆっくりと、少しだけ変化する。ぜひ30歳代、同世代の人たちに観ていただきたい作品である。人生に悩んでいる方は、主人公たちと一緒に一歩前に進めるかもしれない。


監督:谷 健二
製作:河野正人
プロデューサー:赤間俊秀
協力プロデューサー:佐伯寛之/丸山昇司
脚本:佐東みどり
撮影監督:藤田秀紀(JSC)
出演:遠藤要/佐藤祐基/馬場良馬/緑川静香/小原春香/三浦力/阿部亮平/あいはら友子/寺坂尚呂己/仁科貴/片桐千里/暮川彰/四方堂亘/三四六
撮影協力:塩尻・木曽フィルムコミッション 塩尻市 塩尻駅 松本市・松本観光コンベンション協会
配給:株式会社サモワール
公式HP:http://ryusei-movie.com/
公開:11月16(土)より松本シネマライツ 長野千石劇場にて先行上映決定!!
 

©2013「リュウセイ」製作委員会