シリーズ興行収入25億ドル、原作本売り上げ1億冊突破。少女世代からママ年代まで、全世界の女子たちを熱狂の渦に巻き込んだ『トワイライト』シリーズ。いよいよシリーズ最後として物語を締めくくる本作は、原作とは異なった結末を迎える。監督と原作者が話しあったその感動のラストとは、いかに!?
ヴァンパイアのエドワード(ロバート・パティンソン)と結婚してカレン家に嫁ぎ、自らも望みどおりヴァンパイアとなったベラ(クリステン・スチュワート)。ベラに恋して三角関係だったオオカミ族のジェイコブ(テイラー・ロートナー)は、ベラとエドワードの娘、レネズミが運命の相手だと知る。大団円で皆が幸せになれると思った矢先、ヴァンパイアの王族ヴォルトゥーリ族はレネズミがすべてのヴァンパイアを滅ぼす「不滅の子」と誤解し、カレン家を襲いにかかる……。
これが最後とばかりに、世界中から様々な種族のヴァンパイアが集結する。彼らが持つ超能力も多種多様で、見ていて楽しい限り。クライマックスのアクションシーンは、トワイライト・ファンなら思わず「ノー!」と絶叫しそうな出来事から幕を開ける。そこからは敵味方入り乱れての大規模な戦闘へと突入。大規模なVFXが駆使され、見応えも充分。だが、解決策がなんともあっけない。ならばそこまで大動員しなくても仲直りできたのでは……とも思えてしまうほど。ま、それを言ったら映画としては成立しないのだから、これはこれでアリと解釈せねば。
思い起こせば、シリーズ当初からロバート・パティンソンらが扮するヴァンパイアが「白塗り」の印象を観客に与えたのは何故なのか。思うに、メイクが完璧ではないのだ。特に目の下あたりの塗りが甘い。皮膚が敏感な場所だから薄めにするのはしょうがない、といったところか。そして、顔と首との色が違いすぎる。舞妓さんとは言わないまでも、もっとガッツリ塗ってほしかった。またはVFX全盛の昨今なのだから、予算をもっとつけて画面上で肌の色を処理したほうがより自然に仕上がったのではないか。……なんて、ラストを迎えたいまさら言っても遅いのだが。
特筆すべきは、娘役のマッケンジー・フォイ。この透き通る目ヂカラに悩殺されるのは、老若男女、全員が全員そうだろう。在りし日のダコタ・ファニングをも思い起こさせる存在感なわけだが、今はもう大人になったダコタも本作でもちろん登場。新旧の交代劇を見せられている錯覚に陥る。
いずれにせよ、さながらお祭りのように盛大な本作。シリーズファンなら必見の感動ものには間違いない。
原作:ステファニー・メイヤー「トワイライトIV」(ヴィレッジブックス刊)
監督:ビル・コンドン
脚本:メリッサ・ローゼンバーグ
出演:クリステン・スチュワート/ロバート・パティンソン/テイラー・ロートナー/ビリー・バーク/ピーター・ファシネリ/エリザベス・リーサー/ケラン・ラッツ/ニッキー・リード/ジャクソン・ラズボーン/アシュリー・グリーン/マイケル・シーン/ダコタ・ファニング
配給:角川映画
公開:12月28日(金)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
公式HP:http://www.the-twilight-saga.jp/breakingdawn2/
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