人とモノとの巡りあい――フリーマーケット初出店

フリーマーケット、客としてはよく行くが出店したことはない。しかしついに、我が家にあふれる古いモノたちを処分すべく初出店をすることに。
まず主催団体に会員登録と出店予約したものの、天気予報は不安定で、前日の夜まで当日が曇りか雨かわからない。一時、予約を後悔したほどだったが、朝起きてみれば上々の天気! 重い荷物を背に勇んで会場へと向った。
101125_02_01.jpgさあ、シートを敷いて品物を並べ、いよいよ開店!
陳列も、はじめは適当に品物をぶちまけただけだったが、徐々に直していった。目玉商品は前に並べ、見やすく、手にとりやすく。
フリマでは一日の客足の9割が午前中に集中すると聞いていたが、その通り、10時ごろには続々と人がやってきた。
まるで売れなかったらどうしよう、との心配はすぐに消えた。目玉商品の傘とレインシューズはほどなく売れたし、地図がちょっとズレてるおもちゃの地球儀や、ペアの片方をなくしたトレーニンググッズなど、「こんなん買ってくれるンかいな」と思われた予想外のモノたちまで売れていった。それに、こちらは儲けるよりも先にモノを処分したいので、どんどん値引きしてあげちゃう。するとお客さんもほとんど迷うことなく買ってくれ、かつての愛用品は次々と新しい持ち主のもとへと渡っていった。
お客さんも、色んな人たちが来た。買ってくれなくとも、売り物を通してお客さんの趣味の話を聞いたり、言葉や挨拶を交わしたりするだけでも面白い。あいさつや声がけなども次第にコツがつかめてきた。 お客さんの中にはミャンマー人もいたし(私がミャンマー語で話しかけたら驚いていた)、私の独身時代に近所に住んでいた奥さんと劇的な再会を果たすなんて一幕もあり。
101125_02_02.jpg
「いわよし商店」外観
隣で出店していた人たちとはそのうち仲良くなったし、席を外したときには店番をし合ったり、お互いの品物を買ってあげたりした。

結局、天気予報はうれしい誤報。まぶしい日差しに焼かれつつ、昼ごろ引き上げるつもりだったのが、ついに午後3時の終了時間までいてしまった。
稼ぎのほうは、場所代プラスお茶代以上と満足の結果。赤字も覚悟していたのに、初出店にしてはいい出来ではないだろうか。
私は売上よりも不用品が片付いたことに満足していたのだが、考えてみれば買っていった人はいくら安価とはいえ、それらのモノに対してオカネを払っていったわけだ。私が「こんなのいらない」なんて思っていたモノを、「イイモノミツケタ」とほくほくして、嬉しそうに大事に持ち帰っていったではないか。そうしてお客さんやこの日会った人たちの顔を思い浮かべ、モノも人もこうして巡り行くのだろうなどと思った。