トレシュニェヴァチェキ トゥルグ駅「外国の文化をより身近に感じるには、暮らしてみるのが一番!」
そういう持論から、クロアチアの首都ザグレブのアパートに滞在することにした。旧ユーゴスラヴィア周遊旅行のうち、たった数日間とはいえ、つかの間のザグレブ生活。さて、どんな滞在になるのだろうか?
ザグレブ空港に到着した際、ちょっとしたハプニングがあった。
空港から大家さんに電話を入れ、到着を知らせる手筈だったが、公衆電話はテレホンカード式で、電話を使う機会はそうそうないであろう旅人にとっては、少々使い勝手が悪い。そこで、ちょっと困り顔で現地人男性に窮状を訴え(笑)、携帯を使わせてもらった。
ありがたいことに嫌な顔ひとつせず電話させてもらうことができ、
快適なワンルームアパートメントクロアチアの人は親切だと気を良くしながらアパートに向かった。
さて、そのアパートは市内を走るトラム(路面電車)の Tresnjevacki trg (トレシュニェヴァチェキ トゥルグ) 駅から歩いて5分の所にある。生活に必要な物は完備されており、大家さんのご好意で米や各種調味料まで揃っている。これはお国の素材を使って自炊を楽しまない手はない、と地図を片手に青空市場に繰り出した。
これはチーズか? はたまた豆腐か?
住所を聞いてきた、地元の人達
ある日の朝食市場でまずは一枚、とカメラを構えると野菜売りのおじ様が「No Photo!」とすっ飛んできた。一瞬ひるむと「はは、冗談だよ! ようこそ (推定) 」と、満面の笑顔で両手を拡げてくる。「もう!」とおじ様をぶつ振りをして、笑い合う。
ほかにもケーキをひとつ買っただけなのに、おまけのパンをゴッソリ持たせてくれたり、身振り手振りで私にツーショットを求めた後、写真を送ってと住所を渡してくる人がいたり。地元の人から構われるのも、海外に住む楽しさのひとつだ。
さて、アパートに戻って市場で買ったハム、チーズに蜂蜜、パンなどで簡単な朝食にする。
ザグレブ市街チーズだと思って買った物が、水分を抜いた豆腐のような触感で蜂蜜と合わせるとかなり微妙だが、これは本来どう料理する物だったのだろうか?
気になるところだ。
食べ終わるとなんだか一仕事終えた気分で、片付けもそこそこにベッドにごろり。聞き慣れないクロアチア語の番組を何をするわけでもなく眺めていると、だんだん睡魔が……いかん、これでは日本の怠惰な休日と同じではないか。
いや、あくせく外出しようとしないことこそ、暮らしている感覚の醍醐味だろう。
外は折しもの雨。たまには観光に追われない旅行も、悪くない。
参考URL:ザグレブ・アパートメントホテル Alta http://www.zagreb-apt.com/index.htm