新年はインド式ベジタリアン料理で決まり!の巻

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インドだって寒いんです
2010年、新年はインドで迎える事になった。
インドには年末年始ならではの食があるのか、興味を持っていたが、特にそういった物はないようだ。
それではご当地物を……ということで現地人におすすめを聞くと、十中八九、ベジタリアンレストランを紹介された。
というのも、いろんな宗教や人種が混在するインドでは、牛肉や豚肉は食べないという宗教的教義があり、野菜なら誰でも食べられるからだそう。
飛行機の機内食からしてきっちりとべジ(菜食)、ノン・べジ(肉食)と分かれているのが興味深いが、実際のところは肉料理は高いから、というのがいちばんの理由らしい。

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ジョドプールの別名は「ブルーシティ」
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ジョドプールのバザール
普段から自分は肉食系女子だ、と自負しているがここはおとなしく、地元の人のおすすめに従うことにする。
ということで、必然的に新年は、お節料理ではなくインド式ベジタリアン料理で迎えることになったので紹介したいと思う。
日本ではまずお目にかかれないであろう、一風変わったベジタリアン料理をご覧あれ!

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衝撃! ラージ・カチョリ
かつてマハラジャが住んでいた美しい要塞都市、ジョドプールですすめられたのはラージ・カチョリ。どんな料理か皆目見当もつかないが、地元の人にすすめられるままに頼んでみた。
この外観はいったい……??
ドーム状になった皮の中に、料理が入っているようだ。
外側のパリパリの薄皮を割り、中身をすくってみると、冷たく甘いヨーグルトの下に豆とポテトの辛口カレーが潜んでいる。
それらは口の中で混ざりあってもなお、互いの個性を主張し合う。
さらに皮にかかっている激辛ソースと、彩りを添えるコリアンダーが自己主張しあう。
甘く辛くスパイシー。冷たく複雑な味は、さながら口の中に拡がる不協和音。
その刺激といったらタイ料理どころの比ではない。強烈な味に、私はきっと目を白黒させていたと思う。
街と同様、料理までカオスなのか!?
恐るべし、グレートインディア!!

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ピスタチオのカスタードは濃厚
やっとの思いで食べ終わり、デザートで出てきた甘く濃厚なカスタード(ヨーグルト)に、ほっと溜息をつきながら額の汗をぬぐう。そんな私の様子を、現地の人達が面白そうに眺めていた。

帰国して思うに、お雑煮やお節といった料理は季節の節目を意識させ、気持ちを新たに切り替えるための食べ物なのだろう。
こんな料理で一年の始まりを迎えたせいか、未だに年が明けた感じがしない。
一年の計は元旦にあり、と言われるがインドのようにカオスな一年にならないよう、切に願う今日このごろ。