パワースポット明治神宮へ

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鎮座90年記念ポスター
冬休みを利用して6年ぶりにオーストリアから東京へ来ている息子が、日本の歴史に興味を持っている。特に古くからの日本独特の芸能や文化に対する興味は大きく、私をはじめ、両親や夫までをも巻き込んで質問のシャワーが容赦なくふりかかってくる。

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まさに日本晴れ!
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神社の儀式に遭遇
質問がたくさんありすぎて返答に窮する私。天皇制と政治の関係から始まり、戦国時代のこと、現代に目を転じて政権交代後の国民の生活など、話題は尽きない。年明けすぐに法学の大きな試験があることから日本でも勉強をしているが、せっかくの日本。勉強の合間を縫って、出来る限り日本情緒が感じられる場所を案内したのだった。

そのうちのひとつが大晦日の明治神宮!
これは大当たりだった。翌日以降=初詣の参拝客は日本一を誇る明治神宮だが、大晦日は外国人観光客もゆっくりとしたテンポで東京の暖かい空気を楽しみながら歩いている。それにしても外国人観光客(息子もそうですが)の多いことよ。個人旅行者からフランス語やドイツ語が聴こえてきて楽しい。冬でも比較的暖かい日本は、寒さに慣れっこな欧州の人にとって快適な旅だろう。境内にあるショップでもゆっくりと時間をかけて扇子やらふろしきなどを眺めている。ウィーンでの日本人観光客は、ありったけのモーツァルトのチョコレートをダダーッと買いこむような勇ましい(?)姿しかお目にかからないが、ずいぶん違うものだなーとここでも感心してしまった。

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大晦日の夕食は年越しそばで
ところで明治神宮は、大正3年(1914年)に皇太后がお隠れになり、明治天皇と皇太后の遺徳を偲ぶ国民から、神社建立の声が集まって、翌大正4年に創建された。
かつて、明治天皇が詠んだ句に、
「うつせみの代々木の里はしづかにて都のほかのここちこそすれ」
という歌があるが、まさに「都会のど真ん中なのか?」と疑うほど広大で静か。いたるところに大自然や森があるウィーン在住の息子も、「ここが原宿に近いとはね」と感慨深く散策をしていた。

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今年の絵馬である「寅」を奉る
破魔矢と、ウィーンで留守番をしている姉用にお守りを買い求めていた息子。境内の宝物殿では、語の解説を丹念に読み、一生懸命に展示物を見入っている息子は私の誇りだ。幼少のころはポケモンだけに夢中になっていたのに……
そんな感慨に浸りつつ、帰宅してからの夕食は「年越しそば」。出雲そばに舌鼓を打ち、静かな「和」の大晦日を送った私たちなのであった。