備えあれば憂いなし? 非常時の備えキャンプ


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鯉のぼりの下で行なわれた「非常時の備えキャンプ」。
おなじみ焼き肉にサラダ、豚汁が登場

「『非常時の備えキャンプ』? 遊びじゃないの?」
GW前、キャンプに誘われたのはいいけれど、なんだか物々しい企画名にちょっとびびった。
びびったけれども、メンバーも日頃よく知った人たちだし、バーベキューもあるし、ということで参加。5月4日のお昼ごろ、千葉県睦沢町のキャンプ場「やすらぎの森」に着いた。友人や家族参加で総勢五十数名。

まずは協力してテント張り。昔のテントに比べて格段に軽く、しかも丈夫にできていて、簡単! …と思いきや、説明書の文章がよく読めない。そして単語の意味もわからない。
「ペグ取って」「ペグって何?」
「あれ? この支柱、長さが足りない??」「それはこっちの支柱だよ」
平時でこんなに四苦八苦していて、災害の時に無事にテントを張れるのか? ちなみにペグとはテントを張る際に、ロープを固定する杭です。


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非常時にはビニールでご飯ができちゃいます。
詳しくは本文で

その後、小さな子供たちは森を探検。ティーンエイジャーを対象に「水の浄化方法」「火興し」の講習会も開かれるなか、大人たちはバーベキューの準備。「非常時にこんなお肉がどうやって手に入るんだ?」などと言いつつ、楽しそうに肉を焼き始める。サラダは大鍋ふたつに山盛り。
講習会で「火興し」を習ったティーンエイジャーたちが、腕を振るって豚汁作り。50人分の豚汁は、まるで食べても食べても減らない魔法の鍋のようだった。(翌日、カレー粉を入れた豚汁カレーはコクがあって大好評だった)。

メイン講習は「非常時のご飯の炊き方」。同量の米と水を耐熱ビニール袋に入れて、出来るだけ空気を抜いて口を輪ゴムでしっかりと閉じる。鍋のお湯で約30分間ぐらぐら煮立てて、できあがり。密封してあるので衛生的だ。今回は自分のご飯のビニール袋に油性マジックで記名したので使わなかったが、普通は沸かしたお湯も再利用できる。できあがりのご飯は…温かいうちに食べればイケる味。冷めてしまっても、にぎって醤油を塗って炭火で「やきおにぎり」にすると香ばしくてgood。


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キャンプファイヤー。
非常時にもたき火は重要です

あたりが薄闇につつまれてからは、やっぱりキャンプファイヤー。キャンプファイヤー=「たき火」といえば「焼きイモ」である。大量のさつまいもをアルミホイルで包み、火の中に入れておいた。が、そのあと誰も気付かずに、しばらくして「あれ? 焼きイモどうしたっけ?」…時すでに遅し。おイモはすっかり炭化していた(T_T)。
誰かが言う。
「焼きイモは、最初に濡れた新聞紙で二重に包んでから、アルミホイルで包むんですよ」
…そんなあ、先に教えてよ?。それでもあきらめきれずに割ってみて、中をスプーンでほじくって食べたらこれがビックリするほど美味しい。食べられる部分はかなり減っていたけれど(笑)、甘味は充分。外側の焦げを皮に見立て、巨大なクリの実を食べているようなホクホク感。

「午後4時半から9時半まで、ずーっと食べっぱなしなんて、“常には非ず”…これはやっぱり非常時ですねえ」
“焼きイモ”ならぬ“炭イモ”に舌鼓を打ちながら、そんな会話を交わす。食を通した連帯感、いざというとき頼れる仲間作り…。
このキャンプの趣旨って、もしかすると、そういうことだったのかもね。