『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』ブラピが記者に逆質問?!

090302_00.jpg 80歳の老体で生まれて若返っていく、奇妙な人生の男の物語『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』。アカデミー賞でも最多13部門にノミネートされ、美術賞、メイクアップ賞、視覚効果賞の計3部門を受賞したことでも話題になりました。主演のブラッド・ピットとデビッド・フィンチャー監督が、来日時に作品への思いを語りました。

090302_01.jpg Q:ようこそ日本へ。
監督:私たちのささやかな作品に興味をお持ちいただいてありがとう。

ブラピ:本作はハリウッドの古典的なエピック作品であると同時に、未来をも語っている作品なんだ。18年前に企画がスタートし、特撮には3年費やしているから、通常の映画の2倍の時間と2倍のスタッフを要しているんだよ。

090302_02.jpg Q:年代を追って演出される際、気を使った点はありますか?
ブラピ:何時間も何時間もメイク椅子に座り続けたことだね。

監督:例えば、内面は6歳でも外見は老人であるとか、外側と中身が違うことを表現するのは難しいことだったね。ただ、時間をかけて充分にブラットと話をしながらキャラクターを練り上げていったのはよかったね。彼のおかげだよ。

ブラピ:皆が経験していることを積み上げているだけなんだ。初恋をしたり、大切な人の死に直面したり。すべてがシンプルで、最大公約数的に語っている。誰もが共感できる作品だと思うよ。

Q:いちばん気に入った台詞はどれでしたか?
ブラピ:最後の、娘への手紙で「物事を始めるのに遅すぎることはない」という文章だね。それから稲妻に打たれたことを話すおじいさんの台詞だね(笑)。

Q:もしご自身がベンジャミンだったら、同じ選択をとりますか?
監督:年をとるごとに若返ってイイ男になるんだよね? う〜ん、自分だったら…

ブラピ:フィンチャー監督は年をとるほどにイイ男になってるよ。

監督:ははは(笑)。

090302_03.jpg ブラピ:愛にはいつか終わりがくるんだ。それは人間の力では変えられないこと。男と女の関係も、相思相愛であっても“死”によって分かたれる時がくるしね。だから、その間の愛し合っている時間を大切にして、その関係を楽しむことが大切なんだ。たとえ別れのときがきても絶望的になってしがみつくんではなく、別れ自体に価値を求め、受け止めること、それが必要だね。でも監督とは別れない(笑)。あと3本、映画を撮る予定があるからね。

Q:演じられて、いちばん楽しかった年代はどこですか?
ブラピ:メイクをしないで済んだ部分(44〜45歳)は楽だったね。レンガを組み上げていくような作品だからひとつひとつのレンガが大切で、ぜんぶのレンガが好きだよ。強いて言うなら、ケイトとのすれ違いから愛し合うまで、そして別れの場面かな。

監督:資金集めにあまりにも苦労したから、撮影のときは嬉しくて苦労はなかったよ(笑)。

Q:撮影後、ご自身の人生に何か変化はありましたか?
ブラピ:寝ても醒めても役のことを考え続けているから、どんな映画からも影響を与えられているよ。本作から学んだのは、時間とは何か、自分にとって大切な人の価値、そうしたことを考えさせられたよ。最後に人が死んで終わり、といったゲームをするのとはわけが違って、とっても実りがあることだよ。

Q:ベンジャミンのようにドラマティックな年代は、ご自身にはありましたか?
ブラピ:僕は今6人子供がいるから、それ自体がドラマティックなことだね(笑)。それと、僕から質問していい? このあと、妻と子供たちとどこへ観光へ行けば家族みんなで楽しめる? そんな場所、ある?

090302_04.jpg 記者:京都?

ブラピ:ちょっと遠いね。

記者:キディランド?

ブラピ:うーん…

記者:明治神宮?

ブラピ:おいしい日本食レストランは?

司会:ワーナーさんがきっと用意してくれるでしょう!

原作:F・スコット・フィッツジェラルド『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
監督:デビッド・フィンチャー
脚本/映画版原案:エリック・ロス
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ティルダ・スウィントン、
タラジ・P・ヘンソン
公開:2月7日(土)丸の内ピカデリー他全国ロードショー
公式サイト:www.benjaminbutton.jp
配給:ワーナー・ブラザース映画
ジャンル:洋画
シネマピア映画記事:http://asobist.samplej.net/entame/cinemapia/0133.php

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