フィンランド、ヘルシンキ市東部のロイフヴオリには、日本庭園と桜公園があり、桜公園では毎年お花見会が開催されている。公園の目印はキノコ型ウォータータワーだ。
ロイフヴオリのウォータータワーとヘルシンキ気剣体一致会のなぎなた1976年に建設が開始されたロイフヴオリのウォータータワーは、高さ52メートル、貯水量約1万2600立方メートル。冬の寒さに耐えうるように断熱材を使っていないのが特徴で、そのおかげで大幅なコストダウンにつながっている。給水のための水圧が足りないと、建物上階まで水が達しなかったり、蛇口からの流水量が不足したりする。水使用ピーク時には、給水塔が貯水池としても機能する。ヘルシンキ東部の給水システムを支える重要な給水塔だ。
着物美人がお花見。
ここはニッポン? いやヘルシンキ桜公園は、ヘルシンキの日本食品店「東京館」経営者の富田憲男氏が発起人となって作られた。2007年から2009年にかけて植林され、お花見会は2008年からスタートした。富田さんは、フィンランド人から日本の花見についてよく尋ねられたことがきっかけで、桜公園の設立を思い立った。短い春と夏を満喫するために、外で過ごすのが大好きなフィンランド人。戸外で飲んだり食べたり皆一緒に春気分を味わう彼らなら、日本の花見も楽しめるに違いない、と考えたそうだ。
今年のお花見会は、5月13日日曜日。日本語補習校の生徒達が「さくらさくら」、「春が来た」を歌ったり、地元武道グループがなぎなたや古武道術を披露した。(その名も、ヘルシンキ気剣体一致会と櫻武道会!)
フィンランド人の「日本ごっこ」も、ちょっと気合いがはいっている。着物だけじゃない。コスプレ軍団もかなりの気の入れようだ。ほんの短い間の北国の春を、しっかり満喫しているフィンランド人たちの姿を見ているうちに、日本の季節感を味わう気持ちを共有しているような気がしてきて、なんだか嬉しくなる。
正座が様になっております、櫻武道会のみなさんロイフヴオリが桜公園の場所に選ばれたのは、日本庭園があったことが理由だった。だから、ウォータータワーと桜公園はたまたまお隣同士になったわけだけれど、今ではすっかり桜公園の目印、ロイフヴオリ地区のランドマークになっている。住宅情報や広告で「ウォータータワーのある日本桜公園の近くです」という宣伝を見かけると、なんだかウォータータワーに親近感が湧いてくるのだから、不思議だ。