「1秒でも長く……」そんなアナタに朗報――閏秒

今週の水曜日、2月の29日は「閏年の日」、閏日であった。
地球が太陽の周りを回る公転周期が365回(=365日)よりも実際は6時間ほど長いことから、その調整として原則4年に一度やってくる閏年。詳しくは以前書いたこちらをご覧くださいませ。また、作家の赤川次郎氏など2月29日が誕生日という場合、48年生まれの赤川氏なら実年齢は16歳なのか、そんな疑問についてもこちらからどうぞ。

この「閏」というのは、大まかに言って「暦の上で不足する日や週、月を調整する」という意味であり、閏日をストックしていく形で週や月で実施することも理論上はありえる。ただ“閏週”を実施するとしたら、単純計算で7日分、28年もの年月が必要となり、その間に公転周期と暦が常にズレていることになる。そのような状態にしておく意味がないことからこれまで実施例がなく、4年に一度の閏日だけが実施されている……と思いきや、実は閏日以外の「閏」として、かなり頻繁に実施されている「閏」がある。


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今年7月1日のある時間を先取りしたデジタル時計。
ん? どこか妙に違和感が……??

それは“秒”。「閏秒」である。

かつて、地球上での時間(「協定世界時」という)は地球の公転や自転に基づいての「天文時」だけで決められていたが、現在は55年から運用されている、原子の震動を利用してより精密に時を刻む「原子時」も併せて決定されている。
ただ、天文時は地球の公転、自転という、いわば自然現象(超マクロな話として、常に同じ速度で公転、自転しているわけではない)によって刻まれているため、より精密な原子時と比べると若干の誤差が生じている。この天文時と原子時の誤差が0.9秒以内になるように協定世界時は設定されているのだが、それを越える誤差が発生する場合に、1秒の追加または削減を世界一斉に行なうのが「閏秒」なのだ。

最近では08年の12月31日に1秒が加算され、英国・グリニッジ天文台のグリニッジ子午線を基準とする世界標準時が「08年12月31日23時59分60秒」を挿入したと同時、日本はプラス9時間の時差なので翌1月1日の8時59分、ここにいつもはない「60秒」が刻まれている
そして次回は日本時間で今年7月1日。この日も同じく「8時59分60秒」がカウントされるのである。