金メダル必至!?なレスリングの必需品

2012年、今年は4年に一度の夏季オリンピックが行なわれる。
英国・ロンドンのオリンピック・パークを中心に、7月27日から8月12日の期間で開催予定だ。現在、各施設の建設の遅れが問題視されているが、この問題が囁かれるのは毎回のお約束(笑)。無事に立派な施設での開催にこぎつけるはずである。

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レスリングの試合風景。
当然彼らもハンカチを身に付けています
ロンドンでの近代オリンピック開催は1908年と48年に続く3回目となるが、我が国はその2回にいずれも不参加。初のロンドンでの各種目代表選手の奮闘が期待されるが、中でも多くの金メダルが期待されているのがレスリング(女子)。まだ代表選手は決定していないが、オリンピック2連覇中の吉田沙保里(55キロ級)、伊調馨(63キロ級)を筆頭に、各階級で世界屈指の選手層を誇っており、全階級の金メダル獲得があってもまったく不思議ではない。
そんなレスリングだが、オリンピックとの関係はとてつもなく深い。紀元前776年にアテネで開始された古代オリンピックから競技として存在しており、1896年にアテネで第1回を迎えた近代オリンピックでも競技に採用、以後30回目となる今年のロンドンオリンピックまで途絶えることなく実施されている。
試合形式は下半身への攻防が禁止で、上半身を捉えての投げ技が中心となるクラシカルスタイルのグレコローマン、下半身へのタックルなどが可能なフリーの両スタイルがあり(女子はフリーのみ)、それぞれのスタイルと体重別でクラス分けされて争われる。男子はグレコローマン、フリーとも7階級、女子は世界選手権・日本選手権は7階級、オリンピックでは4階級で設定されている。
ちなみに女子レスリングのオリンピック採用は2004年のアテネからで、過去2回とも48キロ級・伊調千春、55キロ級・吉田、63キロ級・伊調馨、72キロ級・浜口京子が代表として出場。連覇コンビだけでなく、伊調千春がともに銀、浜口がともに銅と、すべてメダルを獲得している。また、男子もかつては“お家芸”と言われており、近年は銀、銅メダルはともかく金メダルから遠ざかってはいもののが、ロンドンでの復活を期待しよう。

さて最後に、いくらレスリングの選手として強くても、うっかりミスで試合前に失格となる可能性があるケースをご紹介。レスリングの基になったと思われる競技の様子は古代の壁画や文献などに描写されているが、現在のようにタイツを着用しての組競技ではなく上半身裸、さらに油まで塗っていた様子もある。試合中や試合後にその油や汗を拭うことに由来してか、試合前にレフェリーに「白いハンカチ」を持っていることを示さなければならず、そして万が一ハンカチを忘れていると一発失格である。超一流選手にはありえないミスなのかもわからないが、何がなんだかわからなくなるのもまた大舞台(こういうケースでよく目立つ選手が特に冬季にいたような……)。ゆめゆめロンドンの地でこんなことがありませんように。