「darling=ダーリン」という単語がある。
日本では女性が男性の恋人やダンナとラブラブな(笑)場合に使うようなイメージがあるが、海外では「愛する人」全般に使うらしい。だから男性のほうがラブラブな(笑)女性に使う例もある、とか。
そんなわけで『奥さまは魔女』である。
奥さまであるサマンサは、ダンナのことを「ダーリン」と呼ぶ。これに違和感はない。しかし、『奥さまは魔女』の登場人物は、サマンサだけでなく全員ダーリンのことを「ダーリン」と呼ぶ。西洋的な「ダーリン」の語法からすれば、ダーリンを「ダーリン」と呼ぶことは間違いではないのかもしれないが、サマンサ一家を怪しんで見回りに来た警官ですら「ダーリン」だ。愛しているのか、警官。なぜだなんだダーリン、「ダーリン」と呼ばれるのは。しかしなんなんだこの文章は(笑)。
その答えを知るため……ではないが、先日購入してしまったのが『奥さまは魔女 公式DVDコレクション』(アシェット・コレクションズ・ジャパン)の創刊号。毎号6話が収録されたDVDがセットになっており、全48巻を集めると全254話をコレクションできる……個人的にはこういった「毎号部品が1個付いて、全部揃えると帆船が完成します」みたいなものには一切手を出さないと決めていたのだが、ついフラフラと購入してしまった。
なぜかって? 好きなんだよ、『奥さまは魔女』が(笑)。
それこそ小学生の低学年、いやもっと前かもしれない。テレビで再放送されていた『奥さまは魔女』の楽しさ。登場人物たちのアメリカンジョークや、ダーリンの“二度見”の素晴らしさ(世界でいちばん“二度見”がうまいのは、初代ダーリンのディック・ヨークである。これ間違いなし)。単純なおもしろさと、ドラマなのに客と思しき笑い声が入っているという驚き(最近のバラエティとは違うバタ臭さが素晴らしい)……。初めて観たときから今日に至るまで、アメリカン……いや、日本も含めてコメディ部門とドラマ部門、両方でいちばん印象に残る作品、それが『奥さまは魔女』だ。
創刊号は栄えある第1話から6話まで。一家の子供たちであるタバサとアダムの登場はまだまだ先だが、サマンサを魔女だと信じている(当たっているけど)おとなりのクラビッツさんや、ダーリンの勤め先の社長であるラリー、そしてダーリンを毛嫌いするサマンサの母エンドラなど、おなじみの顔はすでに勢揃い。彼女彼らが繰り広げるドタバタ劇は、いつ観ても変わらない笑いに溢れていた。
コンプリートまで隔週であと47巻……おい、遠いな(笑)。でもオトナになったいま、その魅力を長ーく楽しんでいくと考えるとしよう。
あ、ところで。なぜダーリンは「ダーリン」なのか。それは毎回、収録作紹介などが掲載されている大百科が付属(DVDより、どうしてもこっちが“付属”よね)しており、それはそこを読めば一発でわかります。これいちおう、“本のネタバレ”と考えてここでは教えない(笑)。
作者名:—-
ジャンル:DVD付き雑誌
出版:アシェット・コレクション・ジャパン