「N700」新幹線シミュレータの運転できるか運試し

「そうか、名古屋にも行けるやん!」と頭の中で電気がついたのは、東京行きの新幹線の切符を取ろうとしたとき。乗車券は新大阪から東京まで通して買っても、名古屋で途中下車が可能なのです。ただし特急券は途中下車する前と後で別々に買わないと冷や汗をかくことになります(編集部注・こういうシステムになっております)。


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右端が超電導リニア

途中下車してでも行きたい場所とは、JR東海が2011年にオープンした『リニア・鉄道館』。まずは黒光りするC62型SLと、955形式新幹線試験列車(300X)、そして初めて見る近未来的な超電導リニアが出迎えてくれます。さらに歴代の在来線列車からこの間引退した300系新幹線までの列車30両以上が8列にズラリと並ぶ圧巻の眺め。列の中をよく見ると、“ドクターイエロー(東海道新幹線の線路検査車両)”も照れくさそうにいる! 来ているお客さんは“鉄”や子供連れ中心と思いきや、お年寄りも多く、役目を終えたレトロな列車の前でしみじみと語り合っています。鉄道と人々の生活は常にともにあったのですね。

リニア・鉄道館にしかない新幹線シミュレータ「N700」の運転は、高倍率の抽選が待ちかまえる運試しでもあります。入館時に渡される在来線シミュレータの「運転」と「車掌」、そして新幹線シミュレータ「N700」運転の抽選券を切り離して展示室にある抽選箱に入れておき、ドキドキで発表を待ちます。自動車運転免許試験の合格発表のように当選番号がスクリーンに表示されて、番号を照合すると……なんと新幹線シミュレータ「N700」に当選! 500円を払い、めでたく運転券を購入。新幹線を名古屋で途中下車して来たかいがありました。



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数々の列車が一挙に並ぶのは圧巻


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まさに網棚、レトロな列車もまた楽し

「N700」シミュレータルームには、巨大スクリーンと新幹線の先端ボディの中にシミュレータが1台あるのみ。贅沢なことにこれが15分間あなたとお連れ様のものなのです。シミュレータの中は本物の運転室が再現されており、電子パネルや機器がズラリと並んでいます。運転に自信がない人でも係の女性が運転を教えてくれて、シミュレーションも初級レベルを選べるので安心。東京駅を出発すると、高級感のあるマスコンをカチカチと操作してスピードを上げていき、制限速度を超過しないようにパネルを見ながら調整します。眼の前のスクリーンに映し出される風景はリアルで臨場感たっぷり。名古屋駅に近づいてくると自動ブレーキがかかりますが、手動運転に入る時速30キロからが腕の見せどころ。うまく停車位置にピタリと停車できれば、「パーフェクト!」 と言いたいところですが、うまく停車できなくても最後に修了証が表示されます。

当たる秘訣? ダメもとと思っていればうれしさ100倍、お楽しみあれ!