【No Train,No Life】大晦日には電車に乗って――終夜運転情報

今日は12月27日。例年より1日早く御用納めという人も多いだろうこの日に当コーナーの掲載日が回ってきた。
今年は東急東横線の渋谷駅地下ホーム移設と埼玉までの直通運転開始、中央(リニア)新幹線の駅候補地決定、いわゆる"ブルートレイン"の廃止問題など盛りだくさんだった鉄道業界。JR北海道の不祥事、なんてのもありましたけれどね。当コーナーではリニアなど夢のあるおはなしからウンチク、駅員さんネタまで、今年以上にお伝えしていきますので、項が早いですが来年もよろしくお願いいたします。

さて、御用納めということはまもなくやって来るのが大晦日。新年に向けて飲めや歌えやの大騒ぎの末、日も年も変わった零時過ぎにはいそいそと初詣に出かけるなんて向きも少なくない。近所の神社というだけでなく、「参拝客ベスト10」なんてコーナーに出てしまうような著名な寺社仏閣に足を運ぼうとする人も多数出てくるそんなとき、鉄道各社もここが書き入れ時……いや、お客様サービスの一環として夜通し電車を走らせてくれたりする。いわゆる「終夜運行」だ。

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原宿駅の明治神宮臨時ホーム。
左が通常のホーム
首都圏を例に見てみると、明治神宮の最寄り駅である原宿があるJR山手線は、31日の終電以後(休日ダイヤ。以下同じ)、内回り外回りとも約10分間隔で電車が走り続ける。さらに通常の原宿駅は島式(一本のホームの左側と右側に電車が着く方式。JR関内駅など二本のホームの間に上下線が着くのは“対面式”)だが、外回り線路の左にある「明治神宮臨時ホーム」が使用されるというプレミアム(?)もある。
節分の豆まきなどでもおなじみの成田山新勝寺。こちらはJR総武本線の千葉―成田が24時以降約60分間隔で運行する。千葉までは総武線各駅停車が中野―千葉で20分から40分の間隔で走っているので、乗り継いで行くことが可能だ。成田ならば私鉄の京成電鉄も上野から成田まで20分から50分の間隔で終夜運行だ。
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東京メトロ銀座線、都営浅草線で行ける浅草の浅草寺。
終夜運転を乗り継げば泉岳寺などと初詣のハシゴもできます
鎌倉の鶴岡八幡宮。こちらは鎌倉駅が最寄りということで、JR横須賀線の横浜から逗子までを約30分間隔で運行する。横浜まではJRだと京浜東北線が約30分間隔の終夜運転をしている。また、横須賀線上を通って高崎線に繋がるいわゆる湘南新宿ライン(湘南新宿ラインは正式名称ではなく愛称)も約60分間隔で運行しているので、横浜からは乗りっぱなしで宇都宮まで行くこともできる。
川崎大師、そして泉岳寺の最寄りはいずれも京浜急行(京急)。京急本社もある泉岳寺へ通じる京浜急行本線は横浜から泉岳寺まで約20分間隔。途中の京急川崎で降りての大師線は、約6分間隔でバンバン動く予定だ。さすが京急(笑)。
そこに匹敵するのが浅草寺がある浅草に乗り入れる東京メトロ銀座線。渋谷から上野までは約15分間隔だが、上野から浅草までは約7分間隔で運行する。

その他、終夜運転を行う路線の詳細はこちらに詳しかったのでぜひご参照ください。私鉄各線では、中心路線(たとえば京急ならば本線と大師線)を終夜運転したんだから、「全部やっちゃえ」的に全線で終夜運転している様子が見てとれる。また、終夜運転はせずに、「終電繰り下げ、初電繰り上げ」という方法を採る鉄道会社もあり、たとえば東急電鉄は東横線、田園都市線、目黒線で、それぞれ31日の終電を約1時間半繰り下げ、1日の初電を約1時間繰り上げる(その他の線は通常の休日ダイヤで運行)。これによりだいたい深夜2時半まで電車が走り、だいたい4時にはまた復活するという状況になるが、3時代にはなんの電車も走っていない状態になる。故にこれは「終夜運転」とは言わないのだが、これはこれで便利なのは間違いない。

筆者は行こうと思えば徒歩圏内にそれなりに著名な神社があるので、大晦日の終夜運転を利用する機会はないが、「走っていない時間に電車が走っている」というシチュエーションにはなかなかテンションが上がる(笑)。それでいて臨時の明治神宮ホームを使えたら最高だな……なんて思いながら、今年の『鉄、この部屋』、お開きにいたします。

新年に向かって出発進行! 良いお年をお迎えください。